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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報【第35回】
透析患者と家族の災害への備え
〜平成30年7月豪雨の経験から【後編】
2018.11.19
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前回から2ヶ月ぶりの記事となってしまいました。
10月半ばに利き手である右手のシャントが閉塞してしまい、経皮経管的血管形成術(PTA)を行いましたがまた閉塞。次の日に狭くなった血管を切除し、人工血管を埋め込む手術を行いましたが、これまた次の日には血栓がびっしりと詰まってしまい閉塞。別の病院に移り、詰まりに詰まった血栓を3時間近くかけてゴリゴリと掃除してもらい、血管をつなぎ直してシャントもなんとか使えるようになりました。今年で透析生活16年目ですが、シャントトラブルには泣かされっぱなしです。
とまぁ、私の近況はここまでにしましょう。
あの平成30年7月豪雨災害から4ヶ月が経過しました。その後も関西地域を襲った台風など各地で災害が頻発した今年は、災害への対応を真剣に考えざるを得ない年になったと思います。
災害はさまざまな爪痕を残しました。被災地域では仮設住宅の建設やライフラインの復旧などの話題がある一方で、ボランティア不足や今後の生活をどうしていくかで悩む高齢者の話などが、地元のテレビ番組や新聞などで見受けられます。
この災害での教訓をもとに、前編では事前準備を中心に備えをお話ししました。この後編では、災害発生時の行動と避難生活でのお役立ち情報をご紹介します。
災害発生! まずは?
災害発生時、まずはご自分やご家族の通う施設に連絡を入れ、指示を仰いでください。その施設で透析が継続できる場合はそのまま通院できますし、万が一透析が継続できない場合でも、全国の透析施設を結んだ災害時用ネットワークを利用して受け入れ可能な施設を探してもらえます。その指示を受け、透析条件等の必要なデータをもらえる場合には受け取った上で、受け入れ先の施設に行くのがベターでしょう。
避難時の心構え
学校や公民館などの避難所に透析患者が避難した場合「皆さんも被災しているのに私だけ透析患者だから声を出すのは…」という気持ちになって、自分が透析を受けていることを黙ってしまうという事案が多く報告されています。
ですが、ちょっと待った!! それは間違いです。私達透析患者は食事制限や飲水制限があります。避難所などで提供される食事はその制限に引っかかる場合もあります。提供された食事を無理に食べることで、塩分やカリウムを摂り過ぎで体調不良になっては本末転倒です。配慮が必要な患者がいるということを、必ず避難所のスタッフや支援の担当者に伝えてください。
災害時のやるべきことリスト
前・後編を通してご紹介した災害時にやるべきことを以下にまとめました。
- 災害発生時、まずは通院施設に連絡を!
- 避難指示を受けた場合は迅速に行動を起こす
- 処方薬や保険証などは必ず持ち出せるようにしておく
- 避難所や避難先では配慮を必要としている透析患者であることを必ず伝える
- 避難時はいつも以上に食事に注意を!
災害時は、平常時には想像も出来ないようなトラブルが多発します。そんな時は遠慮せずにSOSを出してください。困った時には必ず誰かが助けてくれます。そして助けてもらったことを忘れずに、自分ができる時にできる範囲で、その恩返しをするように心がけましょう。
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