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「医療」×「介護」×「住まい」の問題
2013.4.1
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「医療」×「介護」×「住まい」の問題について考えてみます。
ご存知のように現在わが国は超高齢化社会を迎えています。 透析患者の平均年齢も66.5歳と高齢化の傾向を示しており、また介護が必要な患者も増加しています。
透析患者でかつ介護が必要となった場合、本人が辛いことはもちろんですが、家族の負担も大きな問題となっています。
また一方で、高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加しており、介護と医療を連携して高齢者をサポートする住宅の確保が大変重要な課題となっていますが、まだ不十分なのが現状です。
透析患者の中で大きな割合を占める血液透析の場合、基本的に最低週3回、施設に通院することになります。
透析施設においては、地域差はありますが、送迎サービスを行っている施設も多く、高齢、また身体が不自由な患者も通院が可能な環境が整ってきているとは言えます。
そして、自分自身で通院が可能な身体状態、またはご家族が送迎をできる環境が整っていれば幸いですが、さらなる高齢化、介護度が上がる、合併症や送迎をするご家族の高齢に伴い、それらが困難な状況になることも少なくありません。
しかしながらその場合でも、当然のことながら透析は続けなければならず、施設にとっても、また何より患者・家族にとって大変大きな問題となって立ちはだかります。
それがまさに冒頭に書いた「医療」「介護」「住まい」という3つの問題につながっていくことになります。
その問題の解消に一役買う動きが今活発になっています。
それが、透析施設を併設する 「サービス付き高齢者向け住宅(※)」です。
現在、透析施設が自施設内または、隣接した場所に透析患者専用の入居施設を建設する動きが活発になってきています。
透析施設が建設した入居施設ではなくても、他にも高齢者の入居施設は多くありますが、透析をしているということで入居を拒否されることが多くありますので、その点でも良いニュースだと思います。
また、透析施設が建設した入居施設であれば、当然透析医療に精通したスタッフと医療・システム・体制に管理され、移動も少なく、患者本人にとってはもちろん、ご家族にとっても安心であることはお分かりいただけると思います。
しかし、住み慣れた我が家で生活を続けたいという願いとの葛藤もありますし、また地域・施設によって異なりますが、入居費用・家賃と金銭的なことなど入居にあたってはしっかり考え、検討する必要があります。
これからますます深刻化するであろう、高齢化する透析患者の住まいの問題。 「じんラボ」でもしっかりと取り組まねばならない大切な問題です。
※サービス付き高齢者向け住宅
高齢の単身者や夫婦のみ世帯の方に安心して地域に住み続けられるように国土交通省と厚生労働省共管でスタートした住宅で、住宅の設計や構造に関する基準、入居者へのサービスに関する基準、契約内容に関する基準の三つの基準のそれぞれ一定の要件を満たし、都道府県に登録された住宅のことをいいます。この制度の創設により、民間事業者が運営する高齢者向け住宅は、事実上、有料老人ホームと「サービス付き高齢者向け住宅」の、大きく二つにまとめられることになりました。
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