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コロナ禍の暑い夏を乗り切る! “ナツノマスク”の作り方
2020.7.13
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新型コロナウイルスの拡大により、欠かす事ができなくなったマスク。きっと、「マスクのおかげでノーメイクで外出できる!」と思っている女性は多いと思うのですが(私はすっかりファンデーションが減らなくなりました)、暑い中マスクをつけて外出するのは辛いですよね。特に透析患者さんは免疫力が低下していることが多く、健常者よりも感染に気を付ける必要がありますし、透析中もマスクが欠かせません。
そこで今回は、夏にマスクと上手に付き合う工夫や、”ナツノ(夏の)マスク”の作り方を解説します。
夏のマスク着用は熱中症を引き起こす恐れが
梅雨や夏の間は、長時間マスクをつけることで熱中症を引き起こすリスクが高まります。
ヒトは通常、外の冷たい空気を吸い込み、身体から熱を奪って温かい空気を吐き出すことで身体を冷やしています。しかし、マスクをつけることで内側の温まった空気(約36℃)を吸い込むため、体に熱がこもりやすくなるのです。
さらにマスクの内側の湿度は100%に達する上に、マスクをつけて呼吸することで、肺の周りにある肋間筋や横隔膜などの「呼吸筋」を活発に動かして体内で熱を作るため、ますますリスクが高まってしまいます。
気象庁が5月25日に発表した6~8月の「3カ月予報」によると、今夏の平均気温は平年並みか高くなる見込みで、特に8月は東日本と西日本で「高い」と予想されています。今年の夏は特に熱中症に注意が必要です。
マスクは四六時中つける必要なし!
夏にマスクとうまく付き合う方法
熱中症リスクが高まる夏は、冬や春と同じ感覚で四六時中マスクをつけないことが大切です。以下のポイントや工夫を意識してみましょう。
- 外出中、周囲の人と2メートル以上離れている場合はマスクを外す。
- マスクをつけたまま負荷の強い運動や作業は避ける。
- マスクを外せない場合は、マスクの顎部分を軽く引っ張ってマスク内の空気を適宜入れ替える。
- マスクの内側にハッカオイルや冷却スプレーを吹きかける。
- 接触冷感素材や綿・麻など涼しい素材のマスクをつける。
- 冷却グッズや持ち運びできるミニ扇風機などで身体を冷やす。
ナツノマスクを手作りしませんか?
話題の“舟型マスク”の作り方をご紹介!
最近では、アパレルや寝具メーカーなどから触るとひんやりする接触冷感素材のマスクが販売されています。しかし、人気が殺到しているのでなかなか手に入りづらいですよね。それでは、ナツノマスクを手作りしてみませんか?
今回作り方をご紹介するのは、“舟型マスク”です。
一般的なマスクの形には、平面でシンプルな形の「平型マスク」、プリーツ加工が施された「プリーツ型マスク」、顔のラインに沿うことで密着性を高めた「立体型マスク」の3種類あります。
対して舟型マスクは、他のマスクと比べて直接鼻や口元に接する部分が少ないため息苦しさが少ないものの、しっかりフィット。しかも見た目もすっきりしていて格好いいと、今話題になっているのです。
ナツノマスクに適した素材は、通気性がよく熱がこもらないものや、接触冷感素材がおすすめです。麻や綿素材はもちろん、中にはユニクロのインナー「エアリズム」で作っている人もいますよ。
用意するもの
- 外布と内布(男性用は縦20×横28cm、女性用は18×25cm、子ども用は16×22cm、幼児~小学校低学年用は13×18cmを目安に調節)
- 耳ゴム(現在品薄のため、お好みの紐での代用もおすすめ)
- 裁縫道具(針、刺繍糸、ハサミ、紐とおし)
- 定規
- アイロン
- アイロン台
今回は100円ショップ「ダイソー」で揃えました。マスク用の布と耳ゴムは不足していたため、それぞれ代用品を購入しています。
購入したもの
- 外布2枚(ストライプ柄、薄パープル)
- 内布用素材(冷感素材のアームカバー)
- 紐とおし
- 手芸用接着剤(無くても可。あると時短になります)
- スエード調手芸紐
布は通気性の良い素材で、できるだけシンプルな柄を2種類選びました。 インテリアコーナーのボックスカーテン(綿75%)・カフェカーテン(綿85%)を布素材として購入しました。今回は手前のストライプ柄で作ります。
耳ゴムの代用には手芸コーナーにあったスエード調の手芸紐を購入しましたが、開封して触ってみてからあまり伸縮性がないことが分かりました。ヘアゴムなどで代用したほうが良いかもしれません。
ストッキングや細く切ったTシャツなども、ほどよい伸縮性があり代用品として優秀とのことです。
それでは、さっそく舟型マスクを作ります。
今回は女性用マスクなので、外布(ストライプ柄)と内布(冷感素材のアームカバー)を縦18×横25cmに切ります。
アームカバーはペラペラなので、外布のように単体で綺麗に切るのは難しいです。
そのため、まずは外布を重ねて四隅を待針で留めて大雑把に切ります(端にほつれが出たり、切れ目がガタガタになったりしても大丈夫です)。
厚めの紙を使ったパンフレットなどでアームカバーを端ギリギリまで挟み、ほつれなどが気になる部分を紙に沿って切り落とすと綺麗に切れます。
これで、生地の用意ができました。自分用ですし、後程内側に縫い込むので、端に多少ほつれやガタつきがあっても気にせず進めます。
続いて、生地を2枚重ねて半分に折ります。
角から縦4cm、横5.5cmの箇所に印をつけたら、斜めに線を引いてハサミでカットします。これを四隅すべて行います。
外布と内布の左右両端を内側に1cm折り、アイロンをかけます。
※外布の折り目に注意です。マスクをつけたとき表から見える面ではなく、内布と接する面(外布の裏面)の両端を内側に折ります。
今回はアームカバーの素材がかなり柔らかく折りづらかったので、あらかじめ1cm幅の厚紙を用意し、厚紙を挟み込んでアイロンをかけました。
外布と内布をアイロンがけしたら、折り目が外向きになるように重ねます。今回はマスクの内側1cm幅に手芸用ボンドを塗り、外布と内布を貼り合わせます。
手芸用ボンドがない場合は、端から1cmの部分をなみ縫いしてください。
縫い代を作ったら、マスクの左右開いている箇所に手を入れて内側から生地をつかみ、手を引き抜いて生地を表に返します。
折り目を整えたら外布側からアイロンをかけます。折り目を重点的にアイロンがけしましょう。
生地を裏返して横半分に折り、上下中央に折り線をつけます。
再度生地を広げたら上下を中央に向かって折り、アイロンをかけます。
上下の折り目のすぐ下(約2~3mm)をなみ縫いし、マスクの形を立体的にします。
左右の端は後程織り込むため、端から1cmは縫わなくても問題ありません。
内側に織り込んだ面が鼻や口に当たる「裏面」になります。縫う際のポイントは、外側の「表面」は小さく、裏面は気持ち大きめにすくうこと。そうすると表面の糸が目立ちませんよ。
上下縫い終わりました。 再度畳み、表面から縫った部分を軽く引っ張りながらアイロンをかけます。
生地をひっくり返し、端から3cmの箇所に印をつけます。これを四隅すべて行います。
端から3cmの箇所に角を合わせるよう布を持ち上げ、待針で留めます。
左右の端を内側に織り込みます。この時、先ほど待針で留めた部分を覆いかぶせるようにしてください。
その後、赤い点線部分をなみ縫いして耳ゴムを通す部分を作ります。
洗濯ばさみやクリップを使って留めておくと縫いやすくなりますよ。
玉留め部分が顔に当たらないよう、針は折り目の内側から刺しましょう。
端から1cmほど返し縫いすると、より強度が高くなります。
左右の耳ゴム部分を縫い終えました。縫った部分をアイロンがけします。
紐とおしに手芸紐(耳ゴム)を付け、少しずつ引っ張ります。
紐が通ったらマスクを顔に当てて紐の長さを決め、ちょうどよい個所をハサミで切ります。
両端に紐を通して結んだら完成です!
つけてみるとこのような感じです。
作業時間は計5時間半ほどです。…「時間かかりすぎ!」というお声をいただきそうですが、少々言い訳をすると
- 作業を少し進めるたびに写真を撮っていた
- 柔らかいアームカバーを切るのにかなり苦戦した
- 何度か表裏間違えて縫ったため、やり直しすることがあった
- じんラボに公開するため不器用なりに見栄えにかなり気を使い、仕上がりを微調節した
- 裁縫が苦手で裁縫経験がほとんどない
…のが原因です。
そのため、裁縫がそこまで苦手でない人や自分用だからそこまで見栄えを気にしない人(あと、工程ごとに写真に撮らない人)は、作業ミスさえしなければ2~3時間ほどで作れるのではないでしょうか。また、ミシンを持っている方はもっと短時間で作れると思います!
手縫いの立体マスクの作り方動画もご紹介します。
このページでご紹介した作り方とは少々細かいところが違いますが、こちらも参考にご覧ください。
ナツノマスクなら夏の外出も快適そう!
これまで、一般的な不織布マスクや布マスクをつけて外出していたのですが、梅雨に入る前から息苦しく、暑くて仕方がありませんでした。特に犬の散歩はずっと屋外にいる上に犬と走ることもあるので、汗だくになる日々…。
そこで今回作ったナツノマスクを着用して、外出してみました。
つけてみると、少しひんやりしていて快適! 息苦しさや暑さも軽減されたように感じます。1時間以上犬の散歩をしても、よほど走らない限りはマスクを外さなくなりました。
今回ダイソーで使った材料費は700円+消費税(アームカバーは200円商品)です。まだ布が残っていますし、薄パープル生地のマスクも作りたいので、何個か作って使いまわせるようにしようと思います。そう考えると、マスク1個当たりのお値段はとってもお手頃ですね。
快適に今年の夏を過ごしたい方はもちろん、外出を控えてお家時間を持て余している方もぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
この記事はどうでしたか?
参考サイト
- 日テレ「マスクの中は湿度100% 感染予防と熱中症対策をどう両立させる?」(2020/6 アクセス)
- 朝日新聞デジタル「『全人類が経験ない夏』へ マスク、熱中症のリスクにも」(2020/6 アクセス)
- 気象庁「向こう3か月の天候の見通し 6月~8月」(2020/6 アクセス)
- 厚生労働省「『新しい生活様式』における熱中症予防行動のポイントをまとめました」(2020/6 アクセス)
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