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理学療法士ゆうぼーの じんラボ運動療法講座【第4回】
気になるクレアチニン、運動との関係とおすすめの運動負荷

2013.6.25

文:ゆうぼー

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運動とクレアチニン

運動して筋肉を使うと、クレアチニン(以下、Cr)が排泄されます。Crは、筋肉を収縮するために使ったエネルギーのゴミです。
Crは腎臓で濾過され尿として排泄されますが、腎機能が低下していると、排泄されず血中に残ってしまいます。このCr濃度は腎機能を反映する指標として、臨床で最も良く使用されています。
但し、これはスクリーニング(簡単な)程度の検査なので、これで高値を示すようであれば腎機能が既に正常の50〜70%以下になっていることが多く、早期の腎機能障害検査には向いていません。
腎機能をより緻密に検査するにはクレアチニン・クリアランスを行います。 クレアチニン・クリアランスの検査方法には短時間法と24時間法があり、蛋白摂取量を統一した上で、検査の前後で尿を検査します。時間をかけることによって、より正確に腎機能を検査することが出来ます。

さて、運動とCrの関係についてですが、最も留意しなければならない点として、Crは筋肉量を反映するということです。年齢や性別、運動歴等によって正常値が変動してきます。
仮に同じ腎不全グレードである筋肉質な人とやせ型の人がいたとして、Cr濃度が等しい数字であったとしたら、それはやせ型の人は相当な異常値が示されていると言えます。
Cr濃度基準値はあくまで指標に過ぎず、体型や筋肉量によって正常値が異なってくることを考慮しなくてはなりません。よって、運動をする際は、この事を念頭に置いて、実施しなくてはなりません。
では、どのような運動が良いのか?


クレアチニンは筋肉に強い負荷が加わった時に排泄されやすいので、低負荷運動が推奨されています。私は、「じんラボ・リアル」でもご紹介した右図のセラバンド(米国理学療法士協会認定商品)を用いた運動をお薦めしています。

このセラバンドを用いた運動は、一見地味に見えますが10〜20回程行えば、十分な筋肉への負荷を感じることが出来ます。

体操風景

実際に、「じんラボ・リアル」でご来場した皆様にも体験して頂きましたが、みなさんは「意外にきつい!」と言っておりました。腎臓を愛護的な観点からみると積極的な運動は避けるべきですが、体力や筋力を維持・向上させるためには、ややキツイと感じる程度(有している体力・筋力の60%以上)の運動をする必要があります。

セラバンド
筋肉や心臓への負担の少ない運動を心掛けて行っていきましょう。

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ゆうぼー

ゆうぼー
本名:舘野雄貴
茨城県古河市出身、東京都世田谷区在住。杏林大学卒業。
趣味:空手、読書。
略歴:児童養護施設・総合病院・老人保健施設を渡り、現在は医療法人社団麗星会 品川・五反田ガーデンクリニックの理学療法科長として、透析患者さんへのリハビリを行っています。

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