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理学療法士ゆうぼーの じんラボ運動療法講座【第17回】
バランスを司る機能とバランス感覚を鍛える運動療法
2016.7.21
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みなさんは日常生活を送るなかで、歩いていてふらついたり、つまずいてバランスを崩したりすることはありませんか?
一口にバランスといっても、ヒトはさまざまな情報や機能を駆使して、バランスを保持しています。まず、バランスを保つためには、「平衡機能」というものが必要です。
「平衡機能」とは、視覚・内耳・固有感覚(身体がどう動いているかなどを感じ取る感覚)などの感覚入力が脳幹・小脳などの中枢で情報処理され、関節の動きや筋力を使って姿勢を保持する機能です。この平衡機能よって、あらゆる情報が統合されて、バランスを制御しています。そのため、この中の情報系統に問題が生じてしまうと、たちまちバランスが悪くなってしまいます。
例えば、写真①のように閉眼して立位姿勢をとろうとすると、②のようにゆらゆらと揺れてしまいます。これは、目を閉じてしまうと視覚的な情報が遮断されてしまうため、バランスが悪くなってしまうからです。
ヒトは、このような緻密な入力-出力のコントロール調節によって、バランスを保持しているのです。
次に、ヒトがいかにしてバランスを調節しているか挙げていきます。
「反射」という言葉を耳にしたことがあると思います。
「反射」とは姿勢を維持したり、動作をする時に無意識に身体をコントロールしたりすることを指し、平衡機能が乱れたときに重力に抗して姿勢を調節したり、崩れたバランスを修復しようとする機構です。
例えば、歩いていて転びそうになったら、転びそうな方向に手や足が出ると思います。これが、私たちが無意識的に行っている「反射」です。
また、バランスを保つ上では、「前庭器官」も欠かせません。
「前庭器官」は耳の中の内耳という部分に存在する器官で「耳石器」と「三半規管」に分けられます。
「耳石器」は、「卵形嚢(らんけいのう)」と「球形嚢(きゅうけいのう)」からなり、上下・水平方向の速度を受容します。「三半規管」は、読んで字のごとく三つの半規管からなり、回転の速度を感じ取ります。
その他にも、バランスを考える上では血圧の変動も忘れてはいけません。
脳や内耳への血流不全を起こしたりすると、目眩や立ちくらみが生じます。
バランスを支える要因として、血糖値の変動や薬剤の副作用などの影響を受け、動作時にバランスを崩すこともあるかと思います。
このように私たちは、ごく自然に立ったり、歩いたりしていますが、実はさまざまな成因の影響を受けているのです。
では、以下よりバランス能力を鍛える運動療法を紹介します。
まず、写真③のように四つ這い姿勢になります。
次に写真④のように左右反対側の腕と足を同時に上げて、バランスをとります。この姿勢を5〜10秒間保持してください。
左右両側5セットを目安に実施し、平衡バランスを保つ練習をしましょう。
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