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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報【第2回】
CKDって何ですか?
2014.11.25
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最近、テレビやラジオなどでも「健康寿命」の重要性が訴えられています。「健康寿命」とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を表す言葉です。要介護状態や死亡の原因となりうる生活習慣病を予防することでQOLを持続した生活を送ろうという考え方を表した言葉です。私自身も最近、下腹部がポッコリと目立つようになり、痩せ型なのにお腹が目立つのはみっともないとウォーキングや運動に勤しんでいます。そんな運動不足気味の私が紹介する今回の話は、この健康寿命に大きく影響を与える「CKD」という言葉です。
「CKD」とは「Chronic kidney disease」の略で、日本語では慢性腎臓病です。慢性腎臓病の重症度の判定をGFR(糸球体濾過値:Glomerular Filtration Rate)を用いて5段階のステージに分類したもので、診察や治療の判断基準として世界各地で使用されています。
定義としては、以下2つのいずれか、または両方が3ヶ月以上持続した状態をCKDと定義します。
①尿検査で尿蛋白陽性、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要
②GFR(eGFR)が60(mL/分/1.73㎡:単位)未満に低下していること
詳しくは、基礎知識「病気の段階と治療」を参照ください。
日本腎臓学会の推計によると、日本国内のCKD患者は潜在的な患者を含めると1,330万人とも言われており、厚生労働省もCKD対策の取り組みを強化するために予算を追加したりしています。CKDの原因にはさまざまな疾病があり、代表的なものでは糖尿病、高血圧、慢性腎炎などがあげられています。
最近では地方の市町村単位でもCKD予防のためにさまざまな取り組みが行われています。今年、広島県広島市では特定健康診査にCKDの診断の重要な指標となる血清クレアチニンの項目を追加しました。また、日本高血圧学会と共同で減塩サミットを開催し、関係する機関と共に市民に対して減塩の重要性を訴えるといった取り組みも行っています。慢性腎臓病の患者団体である一般社団法人全国腎臓病協議会は各地の患者団体や医師会などの関連団体と共に、多くの皆様に腎臓を大事にする重要性を知ってもらうための講演会や相談会を行っています。
CKDが悪化してしまうと腎代替療法である人工透析が必要となります。私自身も19歳の時に当時働いていた会社の定期健康診断で尿蛋白陽性が指摘され、20歳の時にCKDと診断されました。腎臓病の怖いところは初期から中期にかけてはほぼ自覚症状がなく、患者本人が自覚できるような症状が出てきた時点でかなり病態が進行しているところです。私自身、CKDと判定されてからも高血圧の治療を怠り、食生活や、生活習慣も改めずそのまま過ごしていたある時、体調の悪化やむくみが体感できるようになり、CKDステージは最悪の5にまで進行。透析導入となりました。
では、どのようなことを行えばCKDの早期発見や症状の進行を緩和することが出来るのでしょうか?
先程もご紹介したように市町村単位で行われている特定健康診査などで、血清クレアチニンの数値を検査してもらうことがCKDの早期発見に有効だと思います。定期的な検診の受診はCKD以外の病気を早期発見するためにも有意義なことだと思います(血液検査は痛いですけどね)。
CKD悪化を防ぐのに重要なことは「根気よく」「焦らず」「気負わない」という3つのキーワードが重要だと、CKD治療に失敗して人工透析導入となった不良患者の私は考えています。体感できる症状が少ないために病院の先生からの指摘に疑問が生じたり、「これぐらいなら良いだろう」といった油断から今までの生活に戻ってしまう患者さんもいます。
千里の道も一歩からの言葉通り、日々の生活の中で減塩を進めて行くことや、適度な運動に早寝早起きといった生活習慣の改善が大切なのです。いきなり節制生活を始めると我慢するストレスも高くなります。いつもの料理にかける醤油や塩、ソースの量を少しずつ減らしていくなどの減塩の取り組み。エレベーターを使わずに1階分だけ階段で登って運動してみる、などと本当にちょっとしたことですが、こうしたことをコツコツと積み重ねていきながら主治医の診察、治療を継続していくことがCKD悪化防止の一番重要なことだと私自身の行動を顧みて思います。
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