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【第47回】透析患者の感染症対策
2021.10.4
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世界で初めて新型コロナウイルス感染者が発見されてから、もうじき2年になります。私自身透析患者で、医療機関で働いていることもあり、外出の自粛などさまざまな制約の中で我慢の日々を過ごしています。このWithコロナ時代に透析患者はどのような感染対策をするべきなのか、簡単にまとめてみました。
自分は大丈夫と思い込んでいませんか?
病院や透析室では、パンデミック前と比べていろいろなことが変わりました。
透析施設に入る前に検温とその記録は序の口で、食事の提供中止や通院送迎の縮小、さらには個人用の寝具はすべて持ち込み…など、さまざまな変化が聞こえてきます。
透析室は1フロアにいくつもののベッドがあり、そこで多くの透析患者さんがとスタッフが長い時間過ごす密な環境です。そのため、感染症対策はしっかり行わなければなりません。
しかし、ここ1年半、メディアや施設のポスター掲示などで耳にタコレベルで感染症対策が啓蒙されていますが、実際にはなかなか浸透していないなぁという感触です。私の住む県のとある透析施設でも、透析患者同士が透析施設で長時間密集しておしゃべりしていたのが原因でクラスターが発生したとの報告が上がってきました。その後、更衣室の使用禁止が追加されたのは言うまでもありません…。
透析室で意識するべき感染症対策
マスク着用は今や透析室においてドレスコード並に当たり前という感じになっていますが、息苦しいのかマスクから鼻が出ている方や顎までマスクを下げてしまい、マスクの意味をなしていない方も見受けられます。マスクは鼻や頬、顎に隙間が出ないようしっかり覆いましょう。
発熱などの体調の変化がある場合には、必ず自宅を出る前に透析施設に電話連絡し、指示に従って行動してください。あなたの「施設に行けばあとは病院やスタッフさんが何とかしてくれるだろう」という甘えが、思わぬクラスター発生のきっかけになる恐れがあります。自分と周りの方々を守るためにも、体調に変化がある場合は事前連絡をお願いします。私自身が何度もヒヤッとする場面を見てきました。
日常生活での注意点
感染対策の基本としては、「密集」「密接」「密閉」の3密回避が重要です。
またこちらも基本的な事ですが、外出から帰宅した後はすぐに手を洗うことで外出先で付着したウイルスを落とすことができます。ちなみに、手に付着したウイルスは流水で15秒手洗いすると1/100に、石鹸で10秒もみ洗いして流水で15秒すすぐと1万分の1まで減らすことができるそうです。
喉にも当然ウイルスが付着していると考えられますのでうがいもおすすめです。
よく、「アルコールで消毒しているから大丈夫です!」という話を聞きますが、体質やアレルギーなどでアルコールを使えない方もいらっしゃいます。
ウイルス除去は、石鹸と流水でしっかりと手を洗う、うがいをするという基本的なことの意味を再認識して生活の中に組み込んでしまうと、アルコールに頼らなくても楽に行なえますよ。
外出時のマスク着用はほとんど当たり前になっていますが、新型コロナウイルス感染症の流行当初と違い、感染力の高いデルタ株や、免疫回避能力が高い可能性があるミュー株などの変異株の存在もありますので、マスク着用は引き続き必須になりそうな予感がします。
年がら年中マスクつけるこの生活から早く開放されたいなと思うのは皆さん一緒ですよね?私もマスクをつけて外出していたせいか、マスクの部分だけ顔の日焼けがないというかなり恥ずかしいことになってしまいました。トホホ…。
参考:透析患者における新型コロナウイルス感染者累積数
2020年4月10日〜2021年9月23日
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