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【第42回】
冬の盲点、低温やけどにご用心!
2020.2.3
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全国的にも雪も少ないというニュースを見ながら「今年は年明けから暖かいなぁ」と思い、自宅の灯油使用量が少ないのもやっぱり暖冬だからなのかと考える今日この頃です。
低温やけどは厄介! 透析患者や高齢者は要注意
いくら暖冬とはいえ寒いことには変わりがないので、透析室の中でも「寒い! 電気アンカを持ってこい!」とか「布団をもう一枚かけてくれ!」という訴えも増えてきました。
冬の暖房器具として「電気アンカやこたつは手放せない!」という方も多いと思われますが、この時期に多いのが暖房器具の使い方を間違えて起こる低温やけどです。
治療開始の遅れから、なかなか治らずに悪化して大きな手術が必要になってしまうなどの恐ろしいこともあるので要注意、というのが今回のお話です。
さて、低温やけどとはなんぞや? ということで調べました。やけど(火傷)とは一般的に皮膚に高熱が作用して起こりますが、「低温やけど」は短時間での接触では問題にならない低温が長時間に渡って接触し続けることにより生じるやけどです。
さらに、以下のような重要なことを知ることができました。
- 普通の火傷よりも重症化しやすい
- 手足の血液循環が悪化している透析患者や皮膚が薄くなっている高齢者は罹りやすい
低温やけどの厄介なところは、重症でも見た目ではわかりにくく、自覚症状も現れにくいところです。そのため、普通の火傷よりも皮膚の奥深くまでじわじわと進行して皮下組織まで壊れてしまうことです。手術が必要な状態まで悪化して感染症になりやすくなるなど、非常にリスクが高いので注意が必要ですね。
低温やけどの予防方法
予防方法としては、以下の対策が有用だと言われています。
- 電気アンカや使い捨てカイロは、直接肌に当てないよう厚手のタオルなどで挟んで使う
- 電気毛布などはタイマーでスイッチが切れるようにしておく
- 厚手の靴下などで皮膚に直接熱が当たり続けない状態を保つ
足は腕などに比べると知覚神経の差があり、骨や筋肉の位置関係で体内に溜まった熱が他の部位に比べると分散しにくいので低温やけどになりやすく、寝ている間は注意が必要です。
高齢者の場合は体温も低く寒さを感じやすく、どうしても暖房器具を使う機会が増えるため特に注意が必要です。低温やけどは完治しづらく、気づいたときには重症化している事例も多く報告されています。
本人だけでなく、寝る前にちゃんと予防できているか家族も一緒にチェックするなどの対策がおすすめです。
寒い時期に必要なこたつや電気アンカ、使い捨てカイロなどは使用方法に注意をはらい、安全に使い続けたいものですね。
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