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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報
【第18回】
お風呂との上手な付き合い方
2016.5.12
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皆さん、お風呂はお好きですか? 『テルマエ・ロマエ』という漫画では、日本人(平たい顔族)がお風呂好きとして登場しますが、私もそんな「平たい顔族」の一人ですからもちろんお風呂が大好きなのです。つい先月も入院時にお風呂に入れないのが大きなストレスになって、退院後はスーパー銭湯へ行き足の伸ばせるお風呂を楽しんで、さらに湯上がりのコーヒー牛乳まで満喫したぐらいです。
「日本人ほどお風呂が好きな民族は他にいない」といわれることもありますが、古代ローマのように公衆浴場という形ではないにしろ、江戸の頃には今の銭湯に近い形の浴場があったという文献もあります。それほど、私たちの生活とお風呂は切っても切り離せないものなのです。お湯に浸かったりシャワーを浴びたりするのはもちろん、身体を洗うことで清潔になりますし汗をかくことで代謝も高まり気持ちがいいものです。そんな回は、お風呂に関するお話です。
透析患者さんの場合、透析後の入浴は危険だとよく言われています。これは2つの理由があり、一つは、透析後の状態で湯船に浸かったりシャワーを浴びたりすることで体温が上がり、血圧が変動しやすくなって体調が悪化する可能性があるからです。そうは言っても、汗をかいて肌がベタベタしているような状態は気持ち悪いので、私の場合はタオルで拭いたり、シャント肢側だけ濡れないようにしてからシャワーを浴びるなどしています。(ただし、心臓などに既往症がある方にはオススメできません!必ず主治医とご相談の上で自分にあったチョイスをお願いします。)
もう一つの理由は、穿刺部分が濡れることにより雑菌や水分が侵入してしまう感染のリスクがあることです。シャントの感染リスクを下げる意味でも透析後の入浴やシャワーなどはできだけ避けるほうが賢明だと思います。
では、透析前ならいくらお風呂に入っても良いのか?というとそうでもありません。私も時々スタッフの立場で話を聞くのですが、例えば「週末に来客があったから食べ過ぎて体重が増えたので、透析前にサウナでしっかり汗を出してきた!」という患者さんや「自宅のお風呂でしっかり汗を出してきたから」と言うお話をする患者さんもいらっしゃいます。サウナで汗をかいてから急に水風呂に入るのは非常に気持ちが良いのですが、このような行為は心臓に負担がかかるのでやはりオススメできません。透析患者は日頃の体重増加→透析というサイクルの中で心臓にも知らず知らずのうちに負担がかかっています。そのような状態で一気に身体を冷やして、心臓に冷たい血液が循環するのはやはり危険だと言わざるを得ません。私もスタッフの一員として患者の一人として、あの気持ちよさは理解できますがサウナの後の水風呂はできれば控えていただきたいなぁと思います。
長々と書きましたが「お風呂に入る」という行為自体はストレス解消にも繋がります。主治医や病院スタッフとも相談の上、身体に負担をかけない範囲で楽しみながら湯船に浸かりたいものです。
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