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じんラボゼミナール第2回:
政金生人先生講演「自分にとって最適な治療を考えよう〜あなたは何を大切にして生きたいですか〜」
2019.5.20
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2019年3月17日、昨年の1月28日以来2回目の「じんラボゼミナール」を開講しました。昨年の1月28日以来2回目です。
第1回は医療法人社団清永会 矢吹病院腎不全総合対策室 室長政金生人先生に登壇いただき、「自分にとって最適な治療を考えよう〜あなたは何を大切にして生きたいですか〜」をテーマにご講演いただきました。今回も政金先生をお招きし「私の病気との向き合い方」をテーマにゼミナールを開講しました。
政金先生の病気との向き合い方
前回同様、医学的な観点から基本的な透析についての情報に加え、先生ご自身が「パニック障害」という病気を持ったことで学んだ「病気と共に生きていく」ことについてお話いただきました。
先生の「病気を体験して得た学び」に関するお話の要約します。
- 発作の経験から「また発作が起きるのではないか」という不安な気持ちを起こすのは自分自身であり、行動を儀式化するのも自分自身。
- 患者は、自分の苦痛はさておき「自分が病気になり、社会と一線を引かなければいけなくなったことで、家族はどうなるのだろう」となど、社会生活の喪失が自分以外に与える影響を想像してとても苦しむ。
- 医療者も自分が病むと日本一の医療者に診てもらいたい。なのに自分の患者には自分のできる範囲の治療しかしない。医療者は自分が病気になるとややこしくなる。
あきらめる(明らめる)ことの大切さ
さまざまなエピソードの中で、特に印象に残っているのは「あきらめることの大切さ」というお話でした。 「あきらめる」と聞いたら「諦める」という漢字を想起して、ネガティブな印象を持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、もともとこの「あきらめる」は「明らめる」と記す、「物事の真理を明らかにする」という意味の極めて前向きな言葉だそうです。
今の自分をありのまま明らかにすることで心が落ち着き、自分が心から本当に大切したいと思っていること、今自分やるべきことが明らかになる、というお話でした。
無いものに執着せず、あるものを大切にして生きる
「あるがままを受け入れて前向きに生きる」ことに関して、生活の中で以下を意識することが大切とのことでした。
- 森田療法※の基本コンセプト
- 現在の自分を明らかにして(明らめる)、目的本位に生きる
- 自分は何がほしいのか、自分には何が求められているのか
私も病気で失ったものや、出来なくなったことは沢山あります。無いものに執着せず、あるものを大切にあるがままを愛して生きていくことが、自分らしい幸せな人生を送るためにとても大切なことだと、先生のお話を受けて強く思いました。
先生との会話や患者同士の情報交換で得られる気付きも
講演の後、5〜6名ごとにグループ単位で、政金先生と参加者の皆さんとの会話の時間も設けました。主治医以外の医師とお話する機会は少ないからでしょうか、皆さん活発に会話に参加していました。
政金先生が他のグループで会話中は患者同士の情報交換の時間です。この時間も皆さん有意義に活用されていました。参加した皆さんにとっては、それぞれの病気との向き合い方に新たな気付きやヒントを得る大変良い機会になったと思います。
この記事ではごく一部のご紹介ですが、政金先生のお話を参考に、あなたの病気との向き合い方について改めて考えてみてはいかがでしょうか。
今後も患者自らが生活の質を上げて元気に日常生活を送るための「一歩を踏み出せる」ようになることを目指す「じんラボゼミナール」を開催します。
第3回をどうぞお楽しみに!
※森田療法
森田療法は、我国の精神科医、森田正馬(もりたまさたけ)によって1919年に創始された独自の精神療法です。元来は強迫性障害、社交恐怖や広場恐怖などの恐怖症性不安障害、パニック障害、全般性不安障害、心気障害などの神経症性障害が治療の対象でした。
森田療法では、神経症の根底にある不安や死の恐怖は自然な感情であり、よりよく生きようとする人間本来の欲望(生の欲望)と表裏一体の関係にあるものと理解します。にもかかわらず神経症の患者さんは、自己の不安を排除することに努力を傾ける結果、かえって不安が増幅し症状にとらわれていくのです。森田療法の核心は、このようなとらわれを打破することであり、患者さんが自己の不安も生の欲望も自然な人間性として受容し、「あるがまま」の自己を現実に生かしていかれるよう援助していきます。
日本森田療法学会「日本森田療法学会とは」より引用(2019/4 アクセス)
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