腎錐体
別名:
略号:
腎臓は外表面に向かう皮質と深層部の髄質に分かれます。髄質は延長した皮質で仕切られている8〜12個の円錐状の構造に分かれており、それぞれを腎錐体と呼びます。腎錐体は腎門を中心に放線状に並び、腎錐体の先端は丸く乳頭状に腎門に向かって突出しているので腎乳頭と呼び、皮膚に面する側は腎錐体底と呼びます。腎錐体底に近い部分を外層、乳頭に近い部分を内層と呼びます。腎錐体と周りの皮質領域は肉眼でき腎葉と呼ばれます。
皮質には毛細血管が集まった糸球体とそれを包むボーマン嚢があり、糸球体で血液を濾過して尿を濾し出し、ボーマン嚢では濾液を受け入れます。ボーマン嚢に続く尿細管では濾し出された尿を運びながら有用な成分を回収して尿細管に絡み付いている毛細血管に再吸収し、特定物質を尿中に排出し最終的な尿を作り出します。尿細管は糸球体から始まり腎乳頭の先端で終わるまでの間に1往復半行き来し、近位尿細管、遠位尿細管、ヘンレループ、集合管に区別され、最後の集合管で腎錐体の尖端の腎乳頭に開口します。腎錐体は尿細管が行き来しながら束になってひと固まりになった部分です。機能よりは構造的な形状に対して付けられた名前です。