尿細管
別名:細尿管
略号:
尿細管は腎臓の糸球体を包むボーマン嚢から続く直径20〜30㎛、全長4〜7cmの曲がりくねった管で、近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管に分かれ、最終的にいくつかの遠位尿細管が集まって集合管となり腎乳頭に開口しています。糸球体で濾過された原尿は尿細管を経由中に、尿細管に毛細血管が絡み付いているので尿と血液の間で再吸収と分泌の作用を受けてさまざまな物質のやり取りをし、最終的な尿が腎盂に集められ尿管に注ぎます。糸球体で濾過された原尿の内99%にあたる水分、塩分、ナトリウム、ブドウ糖、塩素、アミノ酸、グルコース、ビタミン、ホルモンなど体内に有用な成分が尿細管で再吸収されます。
また尿細管には糸球体での濾過以外に尿細管腔に物質が排泄される尿細管分泌という働きがあり、体内で不要となったアンモニア、尿素、クレアチニンや尿酸など老廃物や電解質、薬物、蛋白血液成分を尿に排出します。水分や電解質は生体の摂取量に応じて尿細管で再吸収と分泌で調整し体内のバランスを維持しながら不要なものは尿に排出しているのです。水分調節機能には水分喪失を減らすための尿濃縮機能や水分摂取が過剰なときの尿希釈機能があります。