アシドーシス
別名:酸血症
略号:
血液pHが7.35未満で酸性に傾く酸塩基平衡異常のことです。特に血液のアシドーシスを強調して酸血症(アシデミア)ということもあります。血液の水素イオン濃度は主として炭酸(酸性)と重炭酸(アルカリ性)の平衡による炭酸緩衝系の作用で正常時は7.4±0.05の間に保たれていますが、炭酸ガスや酸性の代謝産物の蓄積やアルカリ化合物濃度の減少によってアシドーシスが生じます。
肺結核、肺気腫、急性気道閉塞などで肺機能が低下し二酸化炭素の排除が産生に追いつかず血液中の炭酸ガスが増加しpHが低下するのが呼吸性アシドーシスです。一方、胆汁・膵液などの瘻孔からの流失、下痢・嘔吐、腎不全などで酸の過剰産生、アルカリ性腸液の過剰喪失、酸の排出の低下が起こり、血液の重炭酸イオンが低下しpHが低下するのが代謝性アシドーシスです。
糖尿病ではケトン体が血液中に増加して代謝性アシドーシスを起こします。アシドーシスは各種病態で出現するので治療は原疾患に向けられますが、アシドーシス自体が生体機能を傷害する場合は対症療法を行うこともあります。健康維持には、アシドーシスと反対のアルカローシスに傾く状態が望ましいとされています。