一次性糸球体疾患
別名:原発性糸球体疾患
略号:
腎臓の糸球体に原発する病変を持ち、主に免疫反応などによる炎症が原因となり糸球体の壁の水分の透過性が低下します。また免疫反応のために糸球体自体が破壊されることもあります。
WHOの臨床症候分類(1995年改訂)では、臨床症候から1)急性(糸球体)腎炎症候群、2)急速進行性腎炎症候群、3)反復性・持続性血尿症候群(無症候性持続性血尿・蛋白尿)、4)慢性腎炎症候群5)ネフローゼ症候群に分類しています。また形態からは、1)微小変化群、2)局所性分節性病変、3)びまん性糸球体腎炎(慢性糸球体腎炎・増殖性糸球体腎炎・硬化性糸球体腎炎)、4)分類不能の糸球体腎炎に分類しています。
腎炎の種類により、尿蛋白や血尿の程度には差が見られます。腎臓の一部を採取して顕微鏡で見る腎生検(組織分類)でどの種類の腎炎なのかが診断されます。日本人に多いのは血液中の蛋白質の一種であるIgA(免疫グロブリンA)が糸球体に沈着するIgA腎症で、一次性糸球体疾患の約40%を占めています。これらは症状があまり出ず、血尿や蛋白尿もごく微量で、発病後改善と悪化を繰り返すこともあります。