全身性浮腫
別名:
略号:
浮腫とは、顔や手足などの末端で血管の外の組織間液が正常より多くなった状態で、痛みを伴わず、自覚的にははれぼったい感じがあり、脛の上などを指で圧迫するとへこんでしばらくは戻りません。末端だけでなく全身に水分が貯留する全身性浮腫の要因には、心臓、腎臓、肝臓の機能の低下があります。腎不全では、蛋白が尿中に排出されてしまうと、血管の中に水分を保っておく働きのあるアルブミンという蛋白質が少なくなる低アルブミン血症と呼ばれる状態になり、血漿膠質浸透圧が下降し、水分が血管内から周りの組織間へ漏れ出ます。また、塩分や水分を尿に排泄する機能が低下していると、組織間液が増加し、身体に水分が溜まってしまいます。これにより浮腫が生じ、同時に高血圧や肺うっ血などの症状がでてきます。
腎疾患の1つであるネフローゼ症候群では、腎臓の糸球体の病変のために多量の蛋白が尿に排出され、血漿のアルブミンの減少で毛細血管内の浸透圧が低下し、組織間液を毛細血管内に戻せなくなり、浮腫が生じます。また、有効循環血漿量の減少により、腎臓において食塩を貯留するが、血管の浸透圧低下のため組織間液に移り、いっそう浮腫が増加します。