ヘマトクリット
別名:
略号:Ht
採血した血液を試験管に入れて放置すると、黄色い液体部分と赤い沈殿部分に分かれます。液体部分は血清と呼ばれ、大部分が水分で少量の蛋白質なども含まれています。一方、沈殿部分には赤血球、白血球、血小板が含まれています。
ヘマトクリットとは、一定量の血中に含まれる赤血球の割合のことです。
通常は赤血球数が減るとヘモグロビン量は減り、ヘマトクリットの値も下がります。このように、3つの値は密接に関係して増えたり減ったりしています。これらのデータをもとにして、貧血の種類をおおよそ診断できます。
ヘマトクリット値が低ければ、血液が薄いということを意味しているので、貧血が疑われます。大部分は女性に多い鉄欠乏性貧血、ついで多いのが悪性貧血、再生不良性貧血、白血病やがんの転移による貧血です。
逆にヘマトクリット値が高ければ、血液はどろどろの状態で流れにくく、詰まりやすくなります。この場合、多血症が疑われます。多血症は赤血球を作る骨髄の組織が異常増殖する一種のがんと考えられますから、治療が必要となります。また、脱水症などの体液の異常などでも高値を示します。