膿尿
別名:
略号:
腎・尿管・尿道などの尿路に細菌感染が起こって尿に炎症性細胞(白血球)が混入し混濁した尿を膿尿といいます。膿は白血球が細菌と戦った残屑でできるので、膿の混じった膿尿は細菌尿でもあることが多いです。膿が多くなると白濁した尿としてみられます。膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などに見られ、これらを尿路感染症といいます。膿尿を遠心沈澱器にかけると沈渣から細菌が検出されます。また白血球エステラーゼ試験によっても検出されます。
膿尿は細菌尿と共に尿路感染症の主要な所見で、通常白血球が10個/mm3以上あれば膿尿と認められます。一過性であることはほとんどなく、多くは細菌感染に起因して尿路に炎症が生じている兆候として捉えられます。ときには排尿痛や発熱、腹痛などを伴います。細菌が見つからず膿尿だけのものを無菌性膿尿といい、これは抗生物質を服用中のときや尿路結核のときにみられる現象です。尿路結核の尿は黄白色に混濁し、尿沈渣で多量の白血球が確認されます。また性感染症の淋病でも淋菌の感染によって、男性で排尿時に灼熱感を伴った痛みや黄緑色の膿が出ます。採尿時の膣からの汚染、非感染性疾患、非細菌性感染との鑑別が重要です。