尿路感染症
別名:
略号:
腎臓から尿道に至る尿路系、腎臓、膀胱、尿管、尿道、前立腺、精巣、精巣上体などの尿の通り道に起きる感染症です。尿路は尿道から体外に通じているので、比較的容易に外界の病原体が侵入します。通常毎日の排尿で病原体は排出されますが、排尿回数が減ったり、尿路全体の機能に問題があったり免疫力が下がったりすると、尿路に病原体が増殖し尿路感染症となります。
排尿障害や発熱、痛みなどの症状があり、炎症の場所によって膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、腎盂炎などに分かれます。最も多い原因菌は大腸菌です。治療には抗生物質や抗菌薬をよく用います。すぐに薬をやめると菌が残っていてぶり返すことがあります。尿路感染症を繰り返すと慢性化して、腎盂腎炎から腎炎や腎不全になる恐れがあります。
透析患者の尿路感染症は、尿量の減少による尿停滞、高齢・糖尿病を起因とすること、腎不全の易感染性などによって起こり出現頻度は20〜30%に及びます。高齢者や女性に多く、自覚症状をともなうことも、膿尿のみを示して自覚症状を伴わないこともあります。長期透析患者では二次性腎嚢胞が見られ、嚢胞内に細菌感染、ウイルス感染、真菌感染などが出ることもあります。