低蛋白血症
別名:
略号:
蛋白質は、消化管から吸収されたアミノ酸を元に肝臓やリンパ組織で産生されます。アルブミンやグロブリンなどの形で酵素やホルモンの材料となり、筋収縮、免疫、代謝、物質の運搬、血液浸透圧の維持、免疫力の維持、血液凝固などの機能があります。働きを終えた蛋白質は尿や便を通じて体外に排出され、また新しく作られる蛋白質の元になります。
通常身体の中では産生と排出の量が釣り合って血中の蛋白質濃度は一定に保たれています。低蛋白血症では作られる量よりも失われる量が上回ることで血中の蛋白質濃度が低下し、血清総蛋白質濃度が6.0g/dL以下を示します。内因は、先天性無アルブミン血症、肝硬変などによる蛋白産生の低下、蛋白分解の亢進、ネフローゼ症候群・蛋白質漏出性胃腸症・天疱瘡などによる体外への蛋白喪失などで、外因は蛋白摂取量の低下、腸管からの吸収不全などがあります。ネフローゼ症候群は尿中に多量の蛋白い尿が出て血中の蛋白質が減少します。また、血清アルブミン濃度3.5g/dL未満を示す低アルブミン血症が代表的な低蛋白血症です。症状は浮腫、貧血、食欲不振、慢性下痢、胸腹水、心機能低下、易感染症などがあります。