エリスロポエチン
別名:
略号:EPO
腎臓と一部(15%程度)は肝臓で産生される、シアル酸を多く含む分子量約34,000の糖蛋白質で、末梢血中の酸素含量が低下すると分泌が促進されるホルモンです。前赤芽球形成や骨髄からの網状赤血球の遊離を促進することにより赤血球生成を高めます。
慢性腎不全患者ではこのホルモンの産生が低下し、正球性正色素性貧血が出現し、これが腎性貧血となります。遺伝子工学的に合成された遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(EPO)は、透析患者の貧血や骨髄異形成症候群の治療、自己輸血用のために広く用いられています。最近ではEPOにN型糖鎖を付加したり、ポリマーを結合したりしたEPO製剤など、半減期を長くすることで投与回数を減らした薬剤や、内因性のEPO産生を促進する薬剤など、EPO関連の貧血治療薬の開発が進んでいます。
EPOは、血液透析患者では一般的に静脈投与されますが、保存期腎不全患者や腹膜透析患者では皮下投与が多いです。EPOによって、貧血改善、身体的活動力更新、輸血の削減、保存期腎不全での腎臓の機能の憎悪阻止、透析導入時期を遅らせる、等の効果がありますが、副作用として高血圧、頭痛、頭重感などがあります。