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爪のお手入れでおしゃれを楽しみませんか?
自分でできる美爪ケア
2020.8.17
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突然ですが、皆さんは爪のお手入れをしていますか? または爪のおしゃれを楽しんでいますか?
恐らく多くの人が、爪切りで短く切って終わりにしているでしょう。特に治療に仕事、家事、育児…と忙しい手の持ち主であればあるほど、「爪は邪魔にならないように短くしていれば十分」「爪まで気を回せない」と思っているのではないでしょうか。
この記事では、腎臓病患者さん、透析患者さんにこそおすすめしたい“爪のお手入れとおしゃれ”をご紹介します。このテーマは特に男性が回れ右してしまうかもしれませんが、爪は少しお手入れしてあげることで見た目が美しくなるだけでなく、メンタルケアや爪・足トラブルの防止にもつながります。年齢や性別は全く関係ないお役立ち情報ですよ。
日頃からとても頑張っている自分の爪、ぜひお手入れして労わりませんか?
爪のお手入れは具体的に何をやるの?
爪のお手入れは、主に以下の3つを行います。
1)甘皮処理
2)長さと形を整える
3)爪表面を磨く、またはネイルアートを施す
「甘皮」とは爪の根元にある皮のことで、爪の根元にある皮膚の「キューティクル」と、爪の表面を覆う薄い不要な角質「ルースキューティクル」の2種類に分かれます。
キューティクルは、爪を固定して爪の隙間から雑菌や汚れが入らないよう保護しています。甘皮処理をせずに爪の根元にルースキューティクルが溜まっている状態は、爪に必要な水分が届かず爪を乾燥させてしまいます。甘皮処理は爪の健康に良いだけでなく、見た目もスッキリ美しくなりますよ。
爪は『いつでも自分から見えるおしゃれ』
シャントをカバーするために夏でも長袖を着たり、透析治療のためにとにかく楽な服を選んだり…と、透析患者さんはおしゃれよりも、機能性や利便性を優先して服装を選んでいる人が多いのではないでしょうか。
しかし、爪は季節や服装を問いません。さらに髪型や化粧、服装は鏡の前でなければ見えませんが、爪は鏡無しで好きな時に見ることができます。爪の形を整え、磨いて綺麗にした爪が見えるだけで、満足感が得られやすくなるのです。仕事などに支障がなければ、マニキュアやジェルネイルを塗ってみるのもおすすめです。
年配の方にも人気!
爪のお手入れ・ネイルアートのメリットとは
ネイルアートは他のおしゃれとは異なり、入浴や水仕事でも落ちにくい上に、鏡がなくても頻繁に目に入るため自信につながるという特徴があります。加えて最近の研究では、ネイルアートを頻繁に見ることで複数回かつ継続的に脳に刺激が届き、QOL(生活の質)の向上につながるとして、認知症の症状が改善するという報告もあるのです。今では年配の方や障害のある方にネイルアートを施す「福祉ネイル」も人気を集めており、爪のおしゃれは世代などの垣根を超えて親しまれています。
QOL(生活の質)の観点以外にも、爪のお手入れを楽しむメリットには以下のポイントが挙げられます。
爪を補強できる
マニキュア、ジェルネイルで爪の厚みを出し、爪用クリーム(美容液)でお手入れするため、爪が割れやすい・二枚爪になりやすい・爪が薄いなどの悩みのある方におすすめです。
爪の変化や病気に気づくことができる
爪のお手入れは手だけでなく足もおすすめです。通常は足の指先までじっくり見る機会は少ないと思いますが、爪のお手入れを通して爪や指の変化に早く気づくことができます(自分の「足」で歩くことの幸せ〜足病変とフットケアについて【第1回】「足」について考える 参照)。
新しい趣味になる
プロにお任せするのであればネイルサロンなどの新しい居場所ができますね。自分でお手入れするのであれば、場所や時間に制限されず楽しむことができます。ただし匂いがきついマニキュアや除光液は、透析施設など自宅外で使う際は注意が必要です。
※病院の検査や治療によっては、ネイルアートが制限されているものもあります。あらかじめご確認ください。
爪のお手入れ~基本のキ『甘皮処理』
爪のお手入れで必要なものと手順は以下の通りです。
爪切りしか持っていない方は道具をそろえるのが大変かもしれませんが、一気に揃えなくても大丈夫です。代用品も紹介しますので、自分に必要なものを吟味して少しずつ揃えてみましょう。
必要なもの
- 爪切り(またはネイルニッパー)
- 爪やすり
- 爪の先端を削り、長さを整えます
- スポンジバッファー
- 爪の先端や表面を滑らかにします
- キューティクルニッパー(代用品:眉毛用ハサミ)
- ささくれや爪の甘皮を切ります
- キューティクルリムーバー(代用品:お湯)
- 余分な甘皮や古い角質を取り除きやすくします
- プッシャー(代用品:綿棒)
- 甘皮を押し上げて、お手入れしやすくします
- キューティクルオイル(代用品:ハンドクリーム)
- 爪や指先を保湿します
- コットン(代用品:ガーゼ、ティッシュ)
- キューティクルリムーバーを染み込ませます
やり方
【1】手を洗うなどして消毒した後、キューティクルリムーバーを染み込ませたコットン(またはガーゼ、ティッシュ)で爪表面を優しくマッサージし、甘皮や角質を柔らかくします。キューティクルリムーバーがない場合は、指先をあたたかいお湯に数分入れて甘皮を柔らかくしてからコットンでマッサージしましょう。
【2】プッシャー(または綿棒)を水で濡らしてから、優しく甘皮を押し上げます。力を入れすぎると爪が傷つくので、爪が白くならない程度の力加減で行いましょう。
【3】キューティクルニッパー(または眉毛用ハサミ)で、押し上げられた余分な甘皮を少しずつカットします。切りすぎると傷みが生じたり雑菌が入り込んだりする恐れがあるため、押し上げられた甘皮はすべてカットせず、少し残しておきましょう。
【4】爪やすりで爪の先端を削り、爪の長さと形を整えます。この時、爪やすりは爪に対して「45度」で当ててください。爪やすりを往復させると二枚爪になる恐れがあるので、一定方向に動かしましょう。
【5】スポンジバッファーで爪の先端と爪の表面を磨き、滑らかに仕上げます。
【6】キューティクルオイル(またはハンドクリーム)で爪と爪周りを保湿したら完成です。
【執筆後記】
化粧や服装、髪型も素敵なおしゃれですが、「自分に似合わない」「うまく自分でできない」などの理由で遠ざかってしまう人は多いのではないでしょうか。対して爪のおしゃれはもとからあるものを整えて最大限活かすものなので、似合う・似合わないは関係なく、誰でもできるおしゃれだと思います。
今回この記事を執筆した理由は、純粋にライターの私が爪のおしゃれが好きで、皆さんに知っていただきたかったからです。コンプレックスだらけでおしゃれが苦手ですが、友人がきっかけで爪のお手入れとジェルネイルに出会い、それが自宅でできる趣味となり、今では爪が自分の好きなパーツになりました。
私が以前通っていたネイルサロンでは、80代、90代のお客様もジェルネイルを楽しんでいました。聞いたところ、「年を重ねてきたからこそ、指先をパッと華やかにしておしゃれを楽しみたい」のだそう。ジェルネイルやマニキュアが難しいという方は、お手入れだけでも一度やってみませんか? 特に夏のおしゃれに悩む透析患者さんに取り入れていただけると嬉しいです。
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参考サイト
- 東京新橋透析クリニック「爪のケアも大切!透析患者さんのフットケア基礎知識」(2020/7 アクセス)
- みんなの介護「高齢者もネイルをする時代に!あの人の笑顔を取り戻せるかも⁉福祉ネイリストがどこへでも出張します」(2020/7 アクセス)
- 毎日新聞「85歳『一大決心で』ネイル 高齢者『訪問美容』利用伸びる 認知症改善も期待」2020年1月25日(2020/7 アクセス)
- 科学研究費助成事業データベース「認知症の行動・心理症状(BPSD)に対するマニキュア両方の有効性の検証」(2020/7 アクセス)
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