透析アミロイドーシス
別名:
略号:
長期透析患者さんに頻発する血液透析固有の合併症です。β2-ミクログロブリンが排泄されなくなって血中に溜まり、やがて骨や関節に沈着することによって痛みとともに機能障害を起こす治療が難しい合併症です。
長期間にわたる透析患者さんや透析開始時の年齢が高い患者さん、純度の低い透析液や体への適合性の低い透析膜を使っての透析を行った場合で、発症のリスクが高いといわれています。 手、肩、膝などの痛み、関節炎が現れたら可能性が高いと考えられます。特に手の親指側、肘、肩等が痛みが現れやすい所です。ひどくなると脊柱管の中を通っている神経が圧迫されることによって痛みや痺れを起こし、歩くことができなくなることもあります。
この合併症の原因物質のβ2-ミクログロブリンをなるべく透析で取り除くことが基本的な予防方法となります。日本透析医学会の統計調査報告では透析前のβ2-ミクログロブリンの値が高いほど生命予後が悪いことがわかっています。