前立腺肥大
別名:
略号:
前立腺は男性の膀胱の前にあって尿道を包んでいる臓器で、ほぼ中央を尿道が貫いています。通常、前立腺はクルミ位で20g程度の大きさですが、40歳代から肥大が始まり鶏卵やみかんほどに大きくなります。性ホルモンの失調が原因の一種の老化現象で高齢になるほど患者数は増え、80歳までには80%の人が前立腺肥大症になると言われています。
病理的には前立腺管の良性結節性過形成です。前立腺が腫大すると尿道が押しつぶされて尿が出にくくなり勢いが悪くなります。また閉塞に伴う膀胱機能の変化により、排尿困難以外に頻尿、尿意切迫感、残尿、夜間頻尿などのいわゆる刺激症状も出現します。進行すると、いきんでも尿が全く出なくなってしまいます。この病態を尿閉と呼び、とても苦しく、尿道カテーテルという管を入れて溜まっている尿を出さないと、腎臓がダメージを受け生命にかかわる可能性があります。前立腺肥大症の症状緩和には、アドレナリンα1受容体遮断薬、男性ホルモンのアンドロゲンの作用を抑える抗アンドロゲン薬、漢方薬などが使われます。内服薬が無効であれば、手術や凍結法、レーザー療法、温熱療法などの方法があります。