イオン交換樹脂
別名:
略号:
接触する水などの媒体の中にある特定の物質を除去するために、ポリマーなどの合成樹脂に存在するイオンと交換させることを目的としたものがイオン交換樹脂です。硬水軟化、純水製造、製塩、金属回収、薬品精製など広い用途があります。イオン交換樹脂はその分子内に交換されるイオンを放出する、スルホ基などの基を持っています。陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の2種類があります。医療においては、高カリウム血症の治療のために、ナトリウムあるいはカルシウムと交換するため、陽イオン交換樹脂を経口服用あるいは浣腸して腸管内で樹脂にカリウムを吸着させてカリウムの危険性を治療することができます。
高カリウム血症に使用される陽イオン交換樹脂には、ナトリウムと交換させるケイキサレートとカルシウムを交換するカリメートがあります。いずれの薬剤も服薬しにくく、便秘を生じやすいです。摂取しやすくするために樹脂をゼリー状にした薬も市販されています。最近では青リンゴ味で携帯しやすく、便秘も少なく有用性が高いケイキサレートドライシロップが発売されています。また、陰イオン交換樹脂のリン吸着薬として塩酸セベラマーが知られています。