全身性エリテマトーデス
別名:全身性紅斑性狼瘡
略号:SLE
さまざまな自己の抗原に対して、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体(自分の体の成分と反応する抗体)が作られてしまうために、全身の臓器に原因不明の炎症が起こる自己免疫疾患で、膠原病の1つとして分類されています。
多量の免疫複合体が流血中に産生され、細網内皮系の処理能力を超えることにより諸臓器に沈着し、臓器障害がもたらされます。発熱、脱力感、全身倦怠感、レイノー現象、関節痛などを前駆症状とし、これに日光照射、寒冷、感染、アレルギー、過労、妊娠などの要因が加わって発病します。鼻背、頬、耳介などに対側性に生じる蝶形紅斑が特徴で、上胸部、四肢の末梢にも紅斑がよく見られます。脱毛も見られるほか、内臓では、腎臓、心臓、脾臓、肺、眼などに病変が現れます。とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなります。
病状は、よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過します。1万人に1人くらいが発病し、とくに20〜30代の出産可能年齢の女性に多く、性ホルモンの関与が示唆されています。男女比は1対10です。