所長のとうせきくん
所長の透析データをグラフで見る
- 透析がうまくいっているかわかる
- 水分や塩分のコントロールができているかわかる
- 健康(栄養や筋肉量)の状態がわかる
- 合併症の心配がないかどうかわかる
- 基礎体重が適正かどうかわかる
透析がうまくいっているかわかる
週3回の血液透析で、どのぐらい体内にたまってきた老廃物を取り除く事ができたのかの治療の目安として標準化透析量(Kt/V)がよく用いられますが、これは低分子の尿素窒素のみを用いた指標です。そのため、例えば尿素窒素より大きい中分子の尿毒素であるβ2-ミクログロブリンの除去効率や、透析時間、血流量、透析後の体重など、さまざまなデータから全体的にとらえ、評価することが大切です。
水分や塩分のコントロールができているかわかる
腎不全が進むと、尿量が少ない、または出ない状態となるため、体の中に水分が溜まりやすくなります。また水分や食塩を摂り過ぎて体液量が多くなると、心臓に過大な負担がかかって高血圧や心不全の原因となります。透析患者さんが体重や水分の管理が重要と言われるのはこのためです。水分や塩分状態がわかる指標を体液量のコントロールに役立てましょう。
透析前体重増加率
目標値:4〜6%
データがありません。
※上記の目標値は、週初め(前回から2日以上空けてからの透析)です。前回から中1日空きで透析を行った場合の目標値は2〜4%です。
健康(栄養や筋肉量)の状態がわかる
透析生活を続けて行くためには、しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析が必要です。透析時間、回数が多いのはもちろんのこと、栄養状態が良く筋肉量が多い方が長生きできるからです。
また長い間透析をしていると骨密度が低下しますが、その骨を守る筋肉を維持することも重要です。
また長い間透析をしていると骨密度が低下しますが、その骨を守る筋肉を維持することも重要です。
合併症の心配がないかどうかわかる
透析療法を続けていると血液透析や腹膜透析が体の負担となってさまざまな原因で合併症が起こることがあります。透析導入の始めに起こるもの、透析を長く続けているために起こるものなど、合併症の種類は多岐に渡っていています。
正しい知識で予防に努めQOL(生活の質)の低下を防ぎましょう。
正しい知識で予防に努めQOL(生活の質)の低下を防ぎましょう。
ヘモグロビン(血色素量 Hb)
目標値:10〜12g/dL
データがありません。
※比較的高齢で活動量の少ない方は10〜11、比較的若年で活動量の多い方は11〜12を目標としましょう。
透析前HCO3-濃度
目標値:19.6〜24.6mEq/L ※
データがありません。
※上記の目標値は、週初め(前回から2日以上空けてからの透析)です。前回から中1日空きで透析を行った場合の目標値は20.8〜25.8です。
基礎体重が適正かどうかわかる
基礎体重(ドライウェイト)は患者ごと、季節ごとに変動し、例えば食事量の減少などによって体重が減少しているにも関わらずドライウェイトをそのままにしておくと、体内に水が溜まった状態となって心不全などの原因となります。そのためドライウェイトの増減と水分量による増減とを区別することが必要なほか、月に一度はドライウェイトの見直しを行う必要があるとされています。
心胸比(CTR)、透析前の血圧、透析中の血圧低下、尿量、透析前後の血液濃縮率(PWI)、心臓超音波などのデータから推定予測します。
心胸比(CTR)、透析前の血圧、透析中の血圧低下、尿量、透析前後の血液濃縮率(PWI)、心臓超音波などのデータから推定予測します。
Kは尿素のクリアランス(透析によって一定時間あたりに完全に尿素が除去された血液の量)、tは透析時間、Vは体液量(体重の約60%)を指し、単位体液量あたり1回の透析で尿素を取り除く事ができた体液の延べ総量を表します。値が大きい程透析効率が良いと言えます。
さまざまな透析量と生命予後を検討した研究がありますが、日本透析医学会の統計調査報告ではKt/Vの増加にともない生命予後が良いことがわかっています。