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東京ネクスト内科・透析クリニック 第3回在宅血液透析患者会参加レポート Part2

2015.7.2

文:よしいなをき

イラスト:バンザイ

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前回の「東京ネクスト内科・透析クリニック 第3回在宅血液透析患者会参加レポート Part1」では、東京ネクスト内科・透析クリニック外部サイトへ院長・陣内彦博先生の講演で語られたクリニックでの在宅血液透析とオーバーナイト透析への取り組みなどについてお伝えしました。
Part2では、講演の続きと会場から寄せられたご質問とその回答について紹介します。


なぜ在宅血液透析は増えないのか?

「栄養状態や心臓の大きさなど大幅に改善するのに、こんなに良い治療がなぜ増えないのか? 」
陣内先生はこう続けました。
「在宅血液透析が増えない理由は、医療側のリスクと患者の不安、経済的負担という3つの理由が大きいのです」

在宅血液透析患者が増えない理由とは在宅血液透析患者が増えない理由とは

「医療側のリスクとしては、在宅で必要となる物品や機器の運搬、配送、機器メンテナンスなどの体制が統一できていないということが挙げられます。日本で同じシステムに統一して同じやり方にすれば、他のいろいろなクリニックでもできるのではないかと思います。
患者側の理由は自己管理の問題。高齢者では機械の操作等難しい面もあるし、家庭で何らかの事故が起こった場合は自己責任になってしまいます。また透析装置の大きさだとか、数多くの消耗品などを置く場所を確保するのに経済的な負担がある。こうしたことを考えると、在宅血液透析は自分の治療に一生懸命になれる患者さんでないとできません」


アメリカで在宅血液透析が増えている理由

一方、アメリカでは2005年から在宅血液透析の患者数が増えているそうです。その理由は「在宅血液透析専用の新しい透析装置が次々とリリースされているから」と陣内先生は言います。

「NxStage、SelfCare、PAK、2008@homeといった在宅血液透析専用装置が幾つも出てきました。非常にコンパクトでシンプルな操作といった特徴から簡単に在宅血液透析ができるようになりました。写真は船の中で透析をしている様子です」

アメリカでの在宅専用の透析装置の活用アメリカでの在宅専用の透析装置の活用

どのようにコンパクトかと言うと、重さは20〜30kgくらい。日本の施設透析で使われている透析装置は100kgあります。これらアメリカ製の在宅血液透析専用装置はダイアライザや透析回路の組み立てが要らず、カートリッジ式で本体にはめ込むだけで透析を行うことができます。日本の審査にこれらの装置を通すことは大変難しいが、もし導入できれば離島における透析医療やICU、透析スタッフのいない病室など幅広く活用することができるとのことです。

「現在、日本の在宅血液透析で使っている透析装置は取り扱いが複雑で、医療機関専用の機械を患者さんにも使ってもらっているんですね。機械に慣れるだけでも3ヶ月くらいかかるし、メンテナンスにも手がかかる。自動車に例えるとレクサスなどの高級車を使っているようなもので、在宅血液透析にはオーバースペック、本当はオートバイクラスで十分なのです。ただしアメリカ製の在宅血液透析専用装置は日本の透析装置に比べて高効率なものではないので、回数や時間を増やす必要はあります」


講演の終わりに

「在宅血液透析は、腎移植と同等かそれ以上」と陣内先生は説明されました。しかし現状では日本の在宅血液透析への取り組みはクリニックによって異なり、さまざまな統一化が必要とのことでした。

「今後は大きな改革が必要になります。データが良いことはもう十分に分かっています。今以上に安全で誰にでも提供できるものを。全てにおいて最高の医療をみんなに提供できるようにしたい。それが私の願いです」

在宅血液透析の今後のテーマ在宅血液透析の今後のテーマ


講演が終わると、会場からは数々の質問が寄せられました。


質問1:アメリカで開発された在宅血液透析装置は日本に導入されるのですか?
陣内先生:色々なメーカーとも相談しているが治験での問題が多いです。在宅血液透析にとって操作が簡単な機械はありがたいのですが、医療機器として見たときには効率が低い、毒素の抜けが弱いといった面があります。離島やICUでの活用を考えれば日本に入ってくる可能性は高いと思うのですが、普及に至るかはまだ分かりません。


質問2:長時間透析と頻回透析のバランスについて、先生が考えるベストは何ですか?
陣内先生:長時間も頻回もどちらも大切だと思いますが、人それぞれ体格の違いなどから何がベストかは違ってきます。私の在宅血液透析に対する考えは「中2日空きを作らない」「最低週18時間」が基本です。体重が100kgとかある人だったら20時間でも全然足りないですし。その人個人の体格や食べ方で透析条件は変えるべきでしょう。またその人の実感は大切にすべきです。週6回はきついとか、週5回だったら丁度良い、何時間だったら体に合うという実感を大切にして、自分の透析歴と年齢を見ながら調節してもらうのが良いと思います。


質問3:在宅血液透析を始めることで良いデータが出るとのことですが、開始した最初の段階から出てくるものなのですか?
陣内先生:頻回や長時間を始めるとすぐに良いデータが出る人は多いです。時間のかかる場合もありますが、例えば心臓が小さくなる等は半年くらいかかります。食欲が増えて元気になるのは本当に1週間くらいです。中2日空きを作らないだけでも体感的に体が楽になるのは確かです。

Part3では講演後の勉強会・意見交換会の様子として在宅血液透析患者さんから寄せられた思いについてお伝えします。
お楽しみに。

イラスト:バンザイ

バンザイ

イラストレーター。33歳で腎不全となり38歳で透析を開始。現在は週6回、1回4.5時間の在宅血液透析に取り組んでいる。 ブログ『透析バンザイ!!!』にて、自身の透析経験や透析患者の気持ち、医療者の気持ち、医療者と透析患者のコミュニケーションなどをマンガで紹介(2008年に『透析バンザイ』として単行本化されている)。 透析患者によるマンガ愛好サークル「透析マンガ部」では、よしいなをきと共に共同主催者を務める。

よしいなをき

よしいなをき
透析歴7年になります。透析はしていますが普段はスポーツ自転車に乗って 体を鍛えています。 仕事は、平凡なサラリーマンですが、透析の時間を利用して、ブログを書いたり、小説を書いたりしています。透析は月、水、金の夜間にしているので、その時間にメッセージや、 コメントなど頂けるとうれしいです。

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