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知って安心 これで分かる腹膜透析(PD)
【第2回】腹膜透析(PD)をはじめたら
《PDのライフスタイル》

2014.7.25

文:バクスター株式会社

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前回(知って安心 これで分かる腹膜透析(PD)【第1回】)腹膜透析(PD)の基礎知識としてPDとは何か? 〜PDをはじめるまでについてご説明しました。今回はPDを始めてからの生活について、食事や通院など実際に導入された患者さんの例も交えながらご紹介したいと思います。

腹膜透析(PD)をはじめた方は、
どんな風に暮らしているの?


ライフスタイルに合わせた自宅での治療

カテーテル埋め込み手術と在宅での治療練習のための入院を終えると、いよいよ自宅での生活が始まります。自宅で、PD患者さんはどのように1日を過ごしているのでしょうか?

I.M.さん 76歳 女性(愛知県在住:主婦)

掃除や洗濯など、主婦として忙しく動き回っておられるI.M.さん。ご主人、息子さんご夫婦、お孫さん2人と一緒に仲良くお暮しです。 庭仕事、気功、絵手紙、読書など様々な趣味を楽しまれていました。

fig1

透析を始めることになった時「1日おきに病院に通うのは大変」だと思い、主治医の先生から薦められたCAPDを選んだそうです。
そんなI.M.さんの現在の1日の生活です。

fig2

朝食後、昼食前、夕方、寝る前に1日4回、透析液の出し入れを行っています。

1回にかかる時間は30分程度。その間はゆっくりと大好きな読書をしたり、絵手紙を書いたりしているそうです。

透析液交換の時間以外は、これまで通り家事をこなすかたわら、庭仕事をしたり近所のお友達と喫茶店でおしゃべりをしたりして過ごしておられます。

PDを始めて1年ぐらいは、とにかく清潔に気を付けないといけないという気持ちばかりだったとおっしゃるI.Mさんですが、今ではすっかり慣れて出来るだけ長くPDを続けたいとおっしゃられていました。

〜透析液の交換はどこで?〜

透析液の交換をする場所について「無菌室が必要ですか?」「PD専用の部屋が必要ですか?」というご質問をいただくことがありますが、掃除の行き届いた清潔な場所であれば専用でなくても構いません。ただしペットは入れないようにし、バッグ交換時は人の出入りも無いようにするか、部屋にいる人にはマスクをしてもらうようにします。

〜清潔に気を付けるには?〜

感染症予防のために透析液の交換時には、手洗い、マスク着用など清潔に気を付けます。また、毎日の入浴・シャワーの際にお腹のカテーテル出口部をケアしたり、お腹から出した「排液」の状態の確認をすることも、PD患者さんの日々の生活で気を付けたい点です。

K.N.さん 60歳 男性 (宮城県在住:福祉関係の宿泊施設職員)

会社から定年延長を依頼され、60歳を過ぎても仕事を続けているK.N.さん。
朝9時〜19時まで福祉関係の宿泊施設で予約管理やフロント業務、デイサービスの受け入れなど多岐にわたり毎日を忙しく過ごされていました。

fig4

透析が必要になった時「仕事を続けたい」と言う理由で、自らAPDでの治療を希望されたそうです。
以下が透析をはじめた後の1日の様子です。

fig5

APDで主に就寝中に透析液交換を行い、夕方に1度、注液(お腹の中に透析液を入れる操作)を会社の執務室で休憩を兼ねて行っています。

このように夕方の30分の休憩時間以外は、毎日、透析をはじめる前と同じペースで、朝9時から夕方7時まで仕事の時間を確保できているとのことです。

〜夜中に治療していて眠れるの?〜

機械が気になってよく眠れないとおっしゃる方も中にはいらっしゃいますが、多くの方は慣れてくるとあまり気にならずに眠れるようになるようです。

また、万が一のトラブル時にも機械がアラームで教えてくれますし、医療機器メーカーが24時間365日対応の「コールセンター」を用意していますので、機械の操作方法が分からなくなった場合やトラブルが起きた場合は、そちらをご利用いただけます。

K.N.さんもPD導入後、2〜3回コールセンターに問い合わせをしたご経験がおありだそうです。
体調が悪い、排液の状態がいつもと違うなどについては、かかりつけの医療機関に連絡しましょう。

※対応時間はメーカーによって異なります。

Y.Sさん 80歳 男性 (兵庫県在住)

定年退職後に、学生時代に行っていた合唱を再開されたY.S.さん。奥様の趣味の陶芸もはじめ、合唱のコンサートツアーや陶芸の作品作り、陶芸クラブの講師など楽しく忙しい日々をお過ごしでした。

fig6

透析が必要となった時、Y.S.さんの多彩な趣味での多忙な毎日をご存じだった主治医の先生から「Yさんは、2日に1回も病院に通えないでしょ?PDが良いのでは?」と紹介されたそうです。
そんなY.S.さんの透析をはじめた後の1日がこちらです。

fig7

以前と同じ時間に朝の活動を始められるよう、APDにかかる時間を考えて、就寝が少し早くなりました。APDの準備・片づけには朝晩約30分かかるそうです。

合唱、陶芸、家庭菜園の時間は以前とほぼ変わりなく確保でき、透析を開始して1年後には、海外での合唱コンサートツアーにも参加されたとのことです。

また普段はAPDですが、陶芸の作品を作る時は夜中に窯の温度管理をするため、昼間にできるCAPDに変更して自由な夜の時間を確保、海外旅行に行く時も機械を使わずにできるCAPDに変更するなど、主治医の先生と相談しながら生活に合わせて方法を調整されています。


毎日の「食事」についてPDの場合のポイントは?

次に日々の生活と深い関わりのある食事は、皆さんどうされているのでしょうか?

「PDは食事制限が緩やか」と目にすることもありますが、良好に治療を続けるためには、PDでも食事に気を付ける必要はあります。ただし保存期や血液透析(HD)治療中の方とは、気を付けたいポイントが多少異なりますのでそのポイントをご紹介します。

ポイント1 塩分 〜減塩は腹膜を守る!〜
腎臓病患者さんにとって食事管理の基本である「塩分制限」はPDにおいても大切です。塩分の摂りすぎは水分の摂りすぎに繋がり、むくみや高血圧、心臓への負荷の原因ともなります。またPDの場合、より多くの水分を除去するためには、ブドウ糖濃度の高い透析液を使うことになり、大切な腹膜に負担をかけてしまいますので、減塩は腹膜を守るためにも重要なポイントです。
ポイント2 エネルギー 〜お腹からもエネルギー〜
お腹に入れる透析液の中には「ブドウ糖」が含まれています。透析液をお腹に貯めている間に「ブドウ糖」が体内に吸収されますので、PDではその分を考慮して、食事からのエネルギーを摂るようにします。

PD

ポイント3 蛋白質 〜適度な摂取が必要〜
蛋白質は体の血や筋肉、骨を作る大切な栄養素で、蛋白質が足りないと栄養状態が悪くなってしまいます。PDでは蛋白質も透析液側に排出されますので、適量の蛋白質を摂ることは大切です。ただし摂りすぎると老廃物を増やしたり、リンの摂りすぎにつながったりしますので、多く摂りすぎるのも良くありません。
ポイント4 カリウム 〜生野菜や果物もOK?!〜
PDではHDと比較してカリウムが体内から除去されやすいため、自由に摂ることが出来る方が多いと言われています。
(個人差がありますので、主治医の指示を守りましょう)

自宅で安心して治療を続けるためのPD外来

PDは通院の手間が少なく生活に影響が少ない反面、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで自宅で安心して安全に治療を続けるために、月1〜2回の「PD外来」があります。

一般的なPD外来の流れ

一般的なPD外来の流れ

PD外来では医療者が患者さんの状態を確認すると共に、患者さんが自宅で疑問や不安に思っていることを相談し次の外来までの間、良好に治療を続けるためのアドバイスを受けることが出来ます。


PDを上手く生活に組み込むために

さて今回ご紹介した3名の患者さんは、それぞれの生活にPD治療を上手く組み込んでおられましたが、その他のみなさんはどのような工夫をされているのでしょうか? アンケート結果からいくつかご紹介いたします。

  • PDのことを同僚に理解してもらい、仕事中の昼頃に交換時間を取ってもらえるように伝えています。
  • 昼間1回は仕事の休憩時間に、昼食を食べながら交換しています。
  • 勤務時間に合わせて、職場で交換しなくて良いように出勤前、退社後、就寝前、深夜と臨機応変に利用しています。
  • 交換が、昼食、夕食にぶつかりやりづらかったので、先生に相談して時間をずらしてもらいました。
  • APDの時間が8時間なので、翌日起きる時間にあわせて早くはじめたり遅くはじめたり時間の調整をしています。
  • CAPDとAPDを使い分けています。
  • 最初は透析の時間ばかりが気になって、ただ次の透析の時間の来るのをまっているような毎日でしたが、病院で先生に相談したり、他の方々と情報を交換したりしている中で、多少時間の余裕をもったり、排液量もトータルでみたり、あまり細かく考えすぎないで気持ちを楽にもつようにしています。その方が調子も良いようです。
  • 交換と交換の間の6時間に何をやりたいのかを次週のカレンダーを見つめながら考える。散策、グランドゴルフ、買い物、菜園作業、バイト、友人放談、孫宅訪問、読書等々、妻と相談しながら書き込んでいきます。

(PD患者さんのための情報誌「スマイル」2011年・2010年秋号アンケートより抜粋)

今回ご紹介したお三方の1日の生活や、アンケート結果の工夫からも、透析液交換の回数やタイミングは、患者さんごとに異なっているのがおわかりいただけたかと思います。

透析液の種類や量、交換回数は残存腎機能や腹膜の状態などを元に医師が決定しますが、透析液の交換方法(APD または CAPD)や、交換のタイミングは、主治医と相談の上「個々の生活に合わせて調整」できるのです。つまり「それぞれの暮らしに合わせた透析ライフ=PDライフ」を送ることができることが、PDのメリットの一つと言えそうです。

最終回の次回は「PDについて良くある疑問・質問」にお答えしたいと思います。

バクスター株式会社

バクスター株式会社は、腎不全、血友病、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に特化したヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人で、医薬品、医療機器、バイオサイエンスを中心とした医療サービスを患者さんや医療現場に提供しています。 腎不全の領域では、腹膜透析製品を世界で初めて実用化。日本においても30年にわたり、腹膜透析製品およびサービスを提供し、患者さんのQOLの向上に貢献することを目指しています。

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