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知って安心 これで分かる腹膜透析(PD)
【第1回】腹膜透析(PD)の基礎知識
《PDを知る〜PD開始まで》

2014.6.23

文:バクスター株式会社

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「透析」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか? 電車の窓から見える「○○透析クリニック」という文字でしょうか? ベッドと機械が並んだ部屋でしょうか? これらは透析療法のひとつで一般的に知られている「血液透析(HD)」ですが、「透析」にはもう一つ「腹膜透析(PD)」という方法もあります。 ここでは、その「腹膜透析(PD)」について説明していきたいと思います。

そもそも「腹膜透析(PD)」ってなんですか?


腹膜透析(PD)は、自宅で、自分で行う透析です。

まずは透析方法による生活スタイルの違いについて考えてみましょう。

血液透析(HD)との大きな違いは、治療を行う場所です。一般的な血液透析(HD)は週に3回ほど通院して治療を行うのに対し、腹膜透析(PD)では治療を自宅で行います。腹膜透析(PD)には、夜間寝ている間に機械で自動的に行う方法(APD)と、治療のための操作を日中数回行う方法(CAPD)があります。

腹膜透析(PD)は通院回数が月1〜2回と少ないので、透析導入前に近い生活スタイルを保ちやすいと言われています。

PD


血液の浄化には、「腹膜」を使います。

では、自宅でどのようにして透析ができるのでしょうか?

血液透析(HD)も腹膜透析(PD)も体にたまった余分な水分や老廃物を「フィルター」を通して取り除くという考え方は同じです。
ただし、血液透析(HD)では「ダイアライザ」と呼ばれる人工の膜を使うのに対し、腹膜透析(PD)では自分の体の中にある「腹膜」(腸などの臓器を覆っているうすい膜)を使います。

透析液をお腹に入れます。 透析液をお腹に一定時間(4〜12時間※1)貯めておきます。
この間に、透析液と血液の中に含まれる物質の濃度の差によって血液の中の老廃物や余分な水分がお腹の中の透析液へ移動します。
老廃物や余分な水分を含んだ「使用済の透析液」を体の外に出すことで、老廃物や余分な水分が体の外に出ていきます。
PD PDお腹に貯めている間は普通に日常生活を送ります。 PD

※1 お腹の中に透析液を貯める時間は、透析液の種類、患者さんの状態などによって異なります。

透析液をお腹に入れます。

PD

透析液をお腹に一定時間(4〜12時間※1)貯めておきます。この間に、透析液と血液の中に含まれる物質の濃度の差によって血液の中の老廃物や余分な水分がお腹の中の透析液へ移動します。

PD
お腹に貯めている間は普通に日常生活を送ります。

老廃物や余分な水分を含んだ「使用済の透析液」を体の外に出すことで、老廃物や余分な水分が体の外に出ていきます。

PD

※1 お腹の中に透析液を貯める時間は、透析液の種類、患者さんの状態などによって異なります。

この透析液の出し入れをする操作を「バッグ交換」と言います。


「バッグ交換」のタイミングは、大きく分けて「寝ている間」か「日中」

お腹の中の『使用済み透析液』を出して、新しい透析液と入れ替える「バッグ交換」の操作を行うタイミングは、大きく分けて「寝ている間」と「日中」の2種類あります。

PD

「寝ている間」に行う場合
寝る前に機械の準備と開始、起きてから終了操作と片づけを自分で行い、透析液の出し入れは機械が行います。 ですので、日中はより自由な時間が確保できます。

PD

「日中」行う場合
1回の操作(お腹の『使用済み透析液』を出して、新しい透析液を入れる)にかかる時間は約30分で、1日に3回〜5回行います。

バッグ交換の回数やスケジュールは、病状によって主治医が検討の上、生活の中でどのようなタイミングでできるかを患者さん本人と相談して決められます。


腹膜透析(PD)を始める時には「カテーテル」の埋め込み手術と、在宅での治療の練習をします。

このように、腹膜透析(PD)ではお腹の中に透析液を入れたり出したりしますので、PDを始める時には、まず透析液の出し入れに使う「カテーテル」をお腹に埋め込む手術をします。

  • カテーテルはやわらかいシリコン製です。
  • お腹からカテーテルが出ている部分は「出口部」と呼ばれ、ベルトなどの邪魔にならないところに作製します。

PD

その後、2週間〜1カ月程度入院し、自宅に帰ってから不安なく治療ができるように「バッグ交換」(または機械の操作)の練習をしたり、出口部のケアの方法を教えてもらったりします。


腹膜透析(PD)を始める時は不安…でも数カ月で慣れる方が多いようです。

自宅で行うということで多くの患者さんが、治療を始める時には操作に不安をお持ちです。しかし、大半の方は自宅で治療を始めて数カ月で慣れてくるようです。

患者さんへのアンケート結果から、操作についてはじめる前とその後の印象をご紹介します。

〜PD患者さんのための情報誌「スマイル」2008年夏号アンケートより〜

PD

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腹膜透析(PD)は「残存腎機能」を保ちやすいなどの特徴があります。 ただし、留意しなければならない点もあります。

次に、医学的な側面について考えてみましょう。

まず、特徴として以下の点が挙げられます。

  • 残存腎機能をより長く保ちやすいこと(※2
  • 血液透析にみられる不均衡症候群が無いこと
  • 心臓への負担が少ないこと

※2 残存腎機能が保てる期間には個人差があります。

透析を始めても、本来持つ腎臓の働きをすべて補えるわけではありませんので、残存腎機能が保たれることは、食事管理や血圧、貧血の管理の面でメリットとして考えられています。

一方、留意しなければならない点もあります。

  • 感染症・腹膜炎を起こすことがある
  • 腹膜透析 (PD) ができる期間が限られてくる

腹膜透析(PD)において特徴的な感染症の原因としては、お腹のカテーテルを通じて細菌が入ることが考えられます。透析液の交換時の手洗いやマスク着用をきちんと行い清潔に気を付けること、出口部を清潔に保つことなどが感染症予防につながります。

また、腹膜透析(PD)を長期間続けることで「フィルター(透析膜)」として使っている腹膜の劣化を引き起こすことがありますので、患者さんの状態にもよりますが、5〜10年で血液透析に変更することが必要と言われています。


仕事、旅行、家にいたい…腹膜透析(PD)を選ぶ理由は様々です。

では、実際、どのような方々がPDをされているのでしょうか?

通院回数が少なく、自分で治療を行うので「仕事をしている方」や「若い方」向けの治療というイメージを持つ方もおられますが、実際は高齢の方や、自宅でゆっくり過ごしたい方もたくさんいらっしゃいます。

「腹膜透析(PD)を選んだ理由」を患者さんアンケートよりご紹介いたします。

  • 仕事を続けたかったから
  • これなら畑仕事が毎日できると思ったから
  • 子供がまだ小さいため、小学校に上がったら具合が悪い時すぐに迎えに行けるため
  • 母が年を取っていて介護をしなくてはならず、家にいつでもいられるため腹膜透析にしました
  • 通院の送り迎えが大変なので(ご家族)
  • 旅行に行く事に便利だから
  • 自宅ででき、通院が1月1回程度ですむから
  • 病院が遠くて通院が難しいから
  • 今までの生活パターンを持続できること
  • 昼間の行動が自由になる、自分の都合で時間を決められるから
  • 一日中家にいられるから
  • 血液透析の前に、何年かでも通院しなくて良いならと思って
  • 他の病気もあるので身体に優しいと聞いたから選びました
  • 腎臓の残存機能が継続できやすいときいたから
  • カリウムの制限がゆるく果物が食べられるから
  • 医師からすすめられたから
  • 入院中に血液透析をしていたが、医師と看護師にすすめられて腹膜透析に変えました
  • 小児で選択肢が他になかったので
  • 最初は透析=血液透析だと思っていたし、PDは腹膜炎をおこすとか思い込んでいてすごく抵抗した。けれど先生がしつこく(?!)薦めるので、とりあえずやってみてと思ってはじめた

(PD患者さんのための情報誌「スマイル」2013年春号アンケートより抜粋)

今回は、腹膜透析(PD)の基礎知識として《PDを知る〜PD開始まで》をご紹介しました。
次回は治療を始めた後の生活などについて、ご紹介していきたいと思います。

バクスター株式会社

バクスター株式会社は、腎不全、血友病、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に特化したヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人で、医薬品、医療機器、バイオサイエンスを中心とした医療サービスを患者さんや医療現場に提供しています。 腎不全の領域では、腹膜透析製品を世界で初めて実用化。日本においても30年にわたり、腹膜透析製品およびサービスを提供し、患者さんのQOLの向上に貢献することを目指しています。

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