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世渡りナビ(就業・社会生活)

一人でも多くの透析者の「働きたい!」を叶えたい

2017.5.15

文:所長

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前回の世渡りナビでは「じんラボの『透析者のための就労サポート』始動!」と題し、提携企業であるIHFヒューマンリソース株式会社との出逢いについてご紹介しました。

今回は、2017年3月12日(日)に開催した「透析者のための就職説明会・個別相談会」についてのお話と、IHFヒューマンリソースのキャリアメンター梶原健太郎さんが、なぜ透析者の就労支援に携わるようになったのかについてご紹介します。


「透析者のための就職説明会・個別相談会」

3月12日、株式会社スクウェア・エニックス・ビジネスサポートとIHFヒューマンリソース株式会社の共催、じんラボの協力で「透析者のための就職説明会・個別相談会」が開催され、就労を希望する8名の透析者の方が参加しました。

まずは人事マネージャーから、企業が求めている人材や透析への配慮についての話でした。 続いて実際にスクウェア・エニックス・ビジネスサポートで働く透析者3名から、今現在の仕事の状況などをお話しいただきました。 皆さんのお話は素晴らしく、仕事と透析共にしっかり向き合っているその姿勢に感動を覚えました。

スクウェア・エニックス・ビジネスサポートの実際についての紹介の後は、南青山内科クリニックの院長で透析専門医の鈴木孝子先生から透析についてのお話です。そして私からは、企業に14年間勤めさらに起業した経験を活かして、仕事と透析の両立の工夫についてお話ししました。

第2部は個別相談会でした。スクウェア・エニックス・ビジネスサポート、IHFヒューマンリソース、鈴木先生、私と4つに分かれたブースで、参加者の皆さんのそれぞれ相談を受けました。

終了後には、皆さんから以下のような声を多くいただきました。 「参加して良かった。働きたい!という気持ちがさらに高まりました。」 「実際に働いている自分と同じように、透析をしている皆さんのお話に励まされ、私も頑張らねばと思いました。」

この『透析者のための就労(就職・転職)サポート』はまだ始まったばかりですが、日経産業新聞にも取り上げられ、問い合わせもいくつか来ていることから、社会的にも重要な活動なのだと実感しています。

働くということは生活の糧を得ることはもちろん、それ以上に生きがいや人間的成長を促すとても重要な機会です。 そして仕事でのやりがいを感じながら日々充実した生活を送ることは、きっと心身にも良い影響を及ぼすものと、私自身の経験から確信しています。

一人でも多くの「働きたい!」と思っている透析者の夢を叶えられるよう、IHFヒューマンリソースと共にチーム一丸となって頑張っていきたいと思っています。


IHFヒューマンリソースのキャリアメンター梶原健太郎さんのご紹介

梶原さんと私は、実は彼が透析導入前からの知り合いでした。そんな彼とこうして一緒に就労支援に取り組むことになったことにはとても感慨深いものがあります。

その梶原さんに、この透析者の就労支援に関わるようになったきっかけと意気込みをいただきました。


まず、私自身と腎臓病との出会いからお話しします。

そもそも幼少期からスポーツが大好きで、特にサッカーや器械体操に明け暮れるいわゆるスポーツ少年でした。小学生の頃からサッカーに没頭し、今では笑い話ですが高校在学中に「ブラジルにサッカー留学がしたい!」と進路相談をして担任の先生を困らせたこともある程、と言えばどのくらい熱心に取り組んでいたかお分かりいただけるのではないかと思います。

高校2年生の時、サッカーの練習に打ち込んでいると右足の親指の付け根のあたりが大きく腫れて練習ができなくなってしまいました。骨折か捻挫を懸念し整形外科を3〜4軒まわり、レントゲン等を撮りましたが骨などには異常がなく、原因が不明でした。
その中の1軒で血液検査をしてみると、なんと尿酸値が11もあり「子供の痛風」と診断されました。その後母が腎臓病で通院していた病院で本格的に検査をしてみると、クレアチニンが1を超えており、その時点で健常者の約半分くらいしか腎機能がないことが判明しました。

そこから私の腎臓病との“闘い”、というよりも今では“共存”というべきものが始まりました。人生を捧げるつもりだったサッカーはもちろん諦めねばならず、5年、10年後には透析になるだろうと宣告されました。その時は絶望し、人生のタイムリミットを設けられたような気持ちになりました。

私の母も腹膜透析や血液透析を行っていました。その頃の私は腎臓病を直視したくなかったため、透析や腎臓移植等に関しては横目で見るように、しかし嫌でもそれらの情報が入ってくる環境にあったため、少しずつですが透析への覚悟はできていきました。
大学生の頃に始めた飲食店でのアルバイトが楽しく、結局大学卒業後も飲食関係の仕事に従事し、何かに追われるように休むことなくがむしゃらに仕事に没頭して、小さな会社ですが透析導入前に起業することができました。

そんな中、2016年秋に同じく飲食関係の仕事でベトナムへ長期出張をしている最中、ホーチミンの町中で体調不良になってしまいました。一時帰国した際に血液検査をしたらクレアチニンが18というとんでもない数字になっており、即入院、透析導入ということになりました。
「ついにこの日がやってきたか」という思いでした。

透析をするまでは1日でも透析導入を先延ばしにしたい、そればかりを考えていましたが、臨時で首にカテーテルを入れて透析を行い、2回、3回と透析を行うことでどんどんと体調が良くなり、透析導入前2〜3年よりも導入後の方が体調はいいのではないかと思ったほどです。

また、母をはじめ周りに非常に前向きな透析者が多く、透析導入が特にハンディキャップに見えない方々が多くいらっしゃったことが、私にとって救いになりました。

よく前向きな透析者の方が口を揃えておっしゃる「生かしてもらっている感」「与えられた命」という話ですが、やはり私も同じことを感じました。入院中や透析をしている時に実に多くの方が自分のために何かをやってくれているということを切に感じました。
そのような考えの延長線上で、これまでのひたすら仕事ばかりの人生から、透析導入を機に人生を一度リセットしてみようと考えました。

生かしてもらった命をただ何となく生きていくのではなく、何かのために使うべきではないか、ひいてはそれは自分のためにもなるのではないか。また、せっかくの人生自分にしかできないことは何なのかを突き詰めたい。漠然とそのような思いが浮かんでくるようになっていました。
そこで私は、以前没頭していた飲食関係の仕事を辞め、新たに就職活動をする決意をしました。その際に障害者の就労支援をしていたIHFヒューマンリソースに登録しました。

いわゆる大企業を数社紹介してもらったのですが、IHFヒューマンリソースがちょうどこれから透析者に特化した障害者就労支援事業部を立ち上げるというタイミングだったこともあり、同社会長の松田さんから「鶏口となるも牛後となるなかれ」と熱心なお誘いを受け、透析者が透析者の就労支援をするという、これまでにない興味深い試みに挑戦させていただくことになりました。 今から振り返ってみると、ある意味私にしかできないお仕事を授かったような気がしています。若い時から透析が身近にあったのは、このような形で透析者や関係者のために頑張りなさい、と言われているかのようです。

透析者の就労支援は簡単なことではありませんが、私自身が積極的に仕事や透析関連の活動をすることによって透析者の地位向上を目指したいと思っています。透析者は障害者ではあるけれども、毎日毎日自分の体調管理を行いながら、健常者と変わらぬ元気の良さで仕事もできる人たちもたくさんいらっしゃいます。企業に「透析者を積極的に雇いたい」と思ってもらえるような環境づくりをしていきたいと考えています。

また私自身がそうであったように、今保存期であったり、これから透析を余儀なくされる方たちが、透析導入=絶望と思わずに希望が持てるような透析者の見本となること、また就労のお手伝いをさせていただいて、一人でも多くの透析者が企業で活き活きと活躍している姿を皆さんにお届けできたら嬉しいと思います。

  • 透析専門医である鈴木先生
  • 透析者であるキャリアメンターの梶原さん
  • 透析歴30年の社会福祉士、じんラボ所長の宿野部

このようなチームは他にないと思いますし、就労・転職を希望されている透析者にとってはきっと心強いサポーターになるに違いありません。

IHFヒューマンリソース株式会社では、透析者の就労に関するご相談、就職・転職のサポート(※現在1都3県)を随時受付中です。
働き続けるための心得や前向きな透析生活に関することなど、私も下記サイト経由で相談をお受けしています。 相談・登録すべて無料です。お気軽にお問合せください。

透析者の就労に関するご相談

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所長

所長
株式会社ペイシェントフッド代表。社会福祉士。透析歴29年。 14年間勤めたソニー(株)を退職後、福祉職を経て、同社を設立。 長い年月にわたり「治療を受ける」という「受け身の立場」で医療と関わってきましたが、腎臓病を経て、透析を受ける当事者として、その経験・想いを「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」役立てられないかと一念発起し、起業しました。 「じんラボ」はみなさんと一緒につくりあげていくコミュニティです。どうぞよろしくお願いします!

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