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患者会ってなに?【第1回】全腎協ってなに?

2014.4.30

文:アスペクト比P

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はじめまして、アスペクト比Pです。今回からご縁をいただきまして、この「じんラボ」でコラムを書かせていただく事になりました。私は透析を始めて、今年で10年をむかえた透析患者です。普段は透析病院で看護助手をしながら、動画投稿サイトに動画投稿したりしています(ちなみにこの名前はそのサイトで付けられたアダ名みたいなものです。愛着があるので今も使っています)。そういう意味でもどっぷりとオタク趣味に染まっている変な人なのですが、こんな私が何の因果かある組織の役員と言う名のお世話役をしております。「腎友会」や「全腎協」という組織を、透析をしている方などはご存じないでしょうか?

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私は今、自分が透析を受けている病院患者会のお世話役と県腎友会で役員の一人としてさまざまな活動を行っています。この患者会関連の事を少しずつお話させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

かつてと言っても40数年前のお話ですが、腎不全という病は「不治の病」であり、その唯一の治療である人工透析も莫大なお金がかかるという時代でした。そんな時代に「明日の命」をつなぐために活動を始めた有志の患者たちの集まりが、今の「患者会」や「全腎協」の始まりです。当時の患者さん達の記録を見ると家族の透析費用を捻出するために家土地を売り払ったという話や、家族がほうぼう頭を下げて借金をして回っているのを見るのが辛かったという話、自分の透析費用が負担になることを恐れた腎不全患者の少年が自殺をしようと家出をして保護されたという新聞記事もあります。そんな時代に患者本人やそのご家族が中心となって各地の病院で発足したのが透析患者会、すなわち腎友会の始まりでした。そんな病院単位の組織が集合していき、都道府県単位の患者会組織となり、全国レベルでの組織となったのが「全腎協」(一般社団法人 全国腎臓病協議会)の始まりです。

さて、全腎協のやっていることってなんだ?と言うことで自分が所属している組織を改めて見直すつもりで手持ちの資料をアチコチから引っ張りだしてから見てみると、結構いろんなことをやっているんだなぁと言うのが偽らざる心境でした。そこで大きなものをいくつかご紹介したいと思います。

  • 国会や官公庁・医師会など関係機関に対する陳情・要望
  • 慢性腎不全患者やそのご家族からの相談を受ける相談会など
  • 会員同士の交流や勉強会の開催
  • 慢性腎臓病(CKD)の普及啓発
  • 臓器移植の啓発事業

とまぁ…、細かいものを除いてもこれだけの事をしています。

この中で特に大きなものが毎年行われている国会請願でしょうか? 全国の患者会組織や透析患者さん、そのご家族などが中心となって集めた署名を持って、国会に対して自分たちの要望を伝えるためのものです。この国会請願などを通じての患者側からの訴えは大きく注目され、今の透析医療や予防医療の発展につながったとも言われています。

さて、全腎協はいろんなことをやっているのは分かったけど、私に関係があるの?と思った方も多いのではないでしょうか? 小中学校の時に検尿検査しませんでした? あれ、嫌でしたよね、思春期の子供にとっては自分のおしっこを学校に出すなんて恥ずかしくて嫌なものでした。実はこれって全腎協の国会請願がきっかけとなって、小中学校で義務化されたものなのです。なに?余計なことをシヤガッテ…。と思う方もおられるかもしれませんが、この検査義務化で若年層の腎機能異常が把握しやすくなったと評価されています。
(実際、私も中学校の時に検尿検査で腎機能の異常が指摘された一人です。)

このような全腎協は請願活動以外にも様々な相談事業や臓器移植普及啓発活動、CKDや多発性嚢胞腎などの腎臓病への理解を進めていただくための活動なども行っています。ちょっとは全腎協に興味を持っていただけたら幸いです。

次回は都道府県にある県患者会の事を一年間のスケジュールに添ってお話します。
【第2回】都道府県患者会とは?

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アスペクト比P

アスペクト比P
中国地方に住むオタク系透析患者。 20歳の時にIgA腎症と診断され、忙しさにかまけて6年間ほぼ治療をしないまま放置してしまい、27歳の時に透析導入。今年で透析導入16年目、透析病院での仕事と透析に趣味に透析患者会のお手伝いと走り回っています。

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