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「治療食レストランと健康教室で
患者さんをもっと元気に!」
船橋市・大島記念嬉泉病院の取り組みを取材しました!
Part2

2015.5.7

文:よしいなをき

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大島記念嬉泉病院レポート2

前回の「船橋市・大島記念嬉泉病院の取り組みを取材しました!Part1」では大島記念嬉泉病院・石川清隆院長に治療食レストランと健康教室に関してインタビューを行い、高齢の透析患者さんへのリハビリの取り組みや、透析患者さんに運動を通じて主役になってもらうこと、透析患者さんの食事管理の方法や地域の人たちに元気になってもらう仕掛け作りなど、沢山のお話を聴かせていただきました。
今回のPart2では、私よしいなをきが治療食レストラン『たね』と健康教室の体験取材をし、大島記念嬉泉病院の患者さんや地域の人たちを元気にする取り組みを詳細にお伝えします。

【医療法人社団嬉泉会 大島記念嬉泉病院】

院長:石川清隆
所在地:〒274-0812 千葉県船橋市三咲3-5-15
    TEL:047-448-3330
    FAX:047-448-3448
診療科目:内科・透析内科・腎臓内科・消化器内科・循環器内科・リハビリテーション科

血液透析を行う腎不全に特化した病院で、入院、または在宅・訪問介護、施設連携と、それらへの送迎透析を通じて透析患者の「生活丸抱えの医療・介護」を実施している。老老介護・独居の透析患者の全身管理、生活管理に特に力をいれている。

大島記念嬉泉病院


治療食レストラン『たね』

治療食レストラン『たね』では、毎日日替わりで腎臓病食とヘルシー食を提供しています。レストラン『たね』主任の浜地直美さんにお話を聴きながら、腎臓病食を試食しました。

プレートに並んだ腎臓病食のメニューは、メインの豚トマト煮、米飯、大根ステーキ、南瓜サラダ、フルーツ白玉です。

豚トマト煮、米飯、大根ステーキ、南瓜サラダ、フルーツ白玉豚トマト煮、米飯、大根ステーキ、南瓜サラダ、フルーツ白玉

まずは豚トマト煮ですが、黒く艶のあるお皿の上に、サラダ菜と共に盛りつけてあります。肉はヒレ肉でやわらかく、トマトの旨味が広がりました。
「塩分を抑えて味わいを出すことに工夫をしています。香味野菜とトマトソースを一緒に煮込み、添えてあるタマネギに味をしみ込ませています。タマネギと一緒に食べることでソースの旨みを味わうことができます」と浜地さんに教えていただきました。

次に大根ステーキです。大根そのものの素朴な味わいで、噛むとやわらかく味が染み出てきます。しっかりした出汁で煮込んだきのこのソースがかかっていて、これもとても美味しい。

南瓜サラダは南瓜の抑えられた甘さの中にかすかな酸っぱさがあります。
「南瓜サラダは塩の代わりにマヨネーズで味を整えています」
浜地さんの説明の通り、カボチャの甘みとマヨネーズの酸味のバランスがほどよく取れていて、実にさっぱりとした味わいです。

どれを取っても味わい深く、すぐに食べてしまうのが勿体ないように感じました。味付けにバリエーションがあり、食べることが楽しくなってきます。
デザートはフルーツ白玉。りんごのコンポートと白玉にサクランボが添えてあり、りんごのシャキシャキ感と白玉のやわらかさの2つの歯ごたえが楽しめます。「白玉は喉を詰まらせることが無いよう、特別なやわらかさのものを使っています」とのことでした。

盛り沢山のメニューでとても食べ応えがありました。この献立の栄養素は次の通りです。

エネルギー 624kcal
リン 332mg
カリウム 986mg
塩分 1.5g
蛋白質 22.1g

全ての料理に味わいがあり、塩分量が1.5gというのはかなり抑え込んだ数値だと思います。これにはレストラン『たね』の栄養士さんたちの努力や工夫がうかがえます。

私が食べ終えた頃はちょうどお昼にさしかかる時間で、レストランにはお客様が増え始めました。病院の近くに市民センターがあり、そこに集まる地域の方々が立ち寄るのだそうです。一般の人向けにヘルシー食が用意されているため、地域の方々はそれを食べに来るのです。「ここに来れば安心で美味しい食事が楽しめる」ということが地域の方々にも周知されています。
ちなみにこの日のヘルシー食のメニューは鰆の幽庵焼き、米飯、大根ステーキ、もずく酢、お吸い物、フルーツ白玉でした。

鰆の幽庵焼き、米飯、大根ステーキ、もずく酢、お吸い物、フルーツ白玉鰆の幽庵焼き、米飯、大根ステーキ、もずく酢、お吸い物、フルーツ白玉

また、低カリウムレタスを使ったレタスのスープ、生春巻き、サラダといったサイドメニューも充実しています。

低カリウムレタスを使ったサイドメニュー低カリウムレタスを使ったサイドメニュー

さらに『たね』では通院している透析患者さんのために、低カリウムレタスの販売もしているとのことです。

この他に提供される毎日のメニューはレストラン『たね』ブログサイト『季節の便り』外部サイトへでも紹介されています。

レストラン『たね』
営業時間:11:00〜16:00(ランチメニューは14:30まで)
定休日:木曜日


健康教室でリフレッシュ

続いて同じフロアにある健康教室に向かいました。広いスペースに数々のトレーニング器具、ストレッチなどの理学療法を行うためのマットなどが整備されています。
リハビリテーション科の石橋萌佳さんに案内いただき、石橋さんの指導で主なトレーニング器具を体験させてもらいました。

写真はNuStepというトレーニング器具です。大きなグリップハンドルと踏み板があり、これらを操作しながら両腕、両足を使って手漕ぎ足漕ぎの運動を行います。

NuStepでの手漕ぎ足漕ぎ運動NuStepでの手漕ぎ足漕ぎ運動

まずは普通の負荷で行いましたが、これはほぼ全身運動で、両肩から両腕、グリップを握る両手、両腿から足先まで全てに力が入ります。短時間で激しく体を動かし、体の内側から熱くなって額にはうっすらと汗が浮かんできました。トレーニングウェアを持ってくるべきだったと反省しました。この器具は病院で筋力の弱い人への有酸素運動として使われるそうです。

次はPowerPlateというかなり大きなトレーニング器具を体験しました。

体全体に強い振動を受けてます体全体に強い振動を受けてます

振動により体全身のストレッチ、マッサージ等を行う器具で、体の弱い人の筋肉の状態に合わせて行うとのことです。このトレーニング器具では少し面白い効果が得られました。

驚くほど体の固い私ですが…。

前屈で体の曲がらないよしいなをき前屈で体の曲がらないよしいなをき

下の写真のように背中を曲げた状態でPowerPlateに立ち、5分ほど振動を受けます。すると…。

このようなポーズで5分間振動を受けますこのようなポーズで5分間振動を受けます

体がわずかながらやわらかくなりました。

さっきよりも少し地面が近く感じましたさっきよりも少し地面が近く感じました

こちらはレッグプレスです。

座った状態でスクワット運動ができます座った状態でスクワット運動ができます

座った状態でスクワット運動を行い、負荷を軽くも重くも調整することができます。主にお尻の大臀筋(だいでんきん)や太ももの前部分の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を鍛える器具です。「足は普段、自転車で鍛えています」と伝えたところ「じゃあ一番重い負荷にしましょう」と石橋さん。膝を曲げた体育座りの状態から、太ももから足先まで力を入れてぐっと伸ばします。太ももが震えてきてかなりキツい。ですがどうにか足を伸ばし切ることができました。

テレビなどでもよく紹介されている機器ですテレビなどでもよく紹介されている機器です

こちらはWONDER Core。テレビCMなどでもおなじみの腹筋強化マシンです。 「体を倒すことで腹筋が鍛えられるのですが、同時に背筋を伸ばすこともできます」と石橋さん。早速やってみたところ、体を倒すと確かに背筋が良く伸びて、猫背の私にはとても気持ちがよかったです。体を起こすときはバネの力で体が支えられるので、普通に腹筋をするよりも確かに楽にトレーングができると実感しました(後日私はこの時の背筋の伸びの気持ち良さが忘れられず、このトレーニング機器を購入してしまいました)。

一通りトレーニング器具を体験させてもらったところで、パジャマ姿の人たちが健康教室を利用し始めました。 通院されている透析患者さんたちが、透析を受ける前に健康教室に立ち寄り、理学療法士さんたちの指導のもと体力向上を図っているのです。既にトレーニング機器にも馴染んでいる様子で、かなり体を鍛えあげている方もいました。

透析を受けるタイミングで継続的に運動を行うというのは理にかなっていると思います。筋肉疲労の回復を待たずに連日トレーニングを行うと体への負担が蓄積され、かえって筋肉量が減ってしまいます。そのため週2〜3回のペースで間隔を開けて運動するのが効果的と言われています。

このようにして体を動かすことが楽しく感じられたら、定期的に透析を受けに来ることも苦にはならないのだと思います。

《健康教室》
利用時間:10:00〜11:30 14:00〜16:00
定休日:日曜日、年末年始
会費:当面無料


フォークライブのリハーサル

治療食レストラン『たね』と健康教室が賑わう中、1人の男性がアコースティックギターのチューニングを始めました。大島記念嬉泉病院患者会わかば会の会長・中山良治さんです。中山さんはレストラン横のスペース『ピアッツア大島』で『80's フォークライブ』を開催するためのリハーサルに来ていました。

リハーサルで「涙そうそう」を歌う中山さんリハーサルで「涙そうそう」を歌う中山さん

中山さんは譜面台を立てて、歌用マイク、ギター用マイクをセットし「涙そうそう」を歌い始めました。レストランで食事を終えた方やトレーニング中の患者さんたちが、中山さんのギターの奏でを聞いています。続いて「なごり雪」「いちご白書をもう一度」も演奏し、私も一緒に「いちご白書をもう一度」を口ずさみました。

このように、大島記念嬉泉病院では患者さんや職員の方々が企画したコンサートや演芸会外部サイトへといったイベントを定期的に開催しています。通院されている透析患者さんや入院されている患者さん、また地域に住んでいる方々などがイベントの開催を楽しみにしていて、毎回多くの方がいらっしゃるそうです。


英会話サロンも開催しています

最後にお会いしたのは院内での英会話サロンで講師をされている山下エバさんです。

英会話の山下エバ先生と石川清隆院長英会話の山下エバ先生と石川清隆院長

この英会話サロンには病院の職員の方や透析患者さんも参加されるそうです。

取材に伺った日は2月のバレンタインシーズンだったので、サロンのテーマは「欧米でのバレンタインの習慣」でした。受講者はサロンで話される内容が日本語で書かれた資料を事前に読んでおき、サロン当日エバ先生の英語での解説を聞いたり、英語での会話を楽しんだりするスタイルです。
「聖バレンタインってどんな人? 」「バレンタインの始まりはいつ? 」「日本と西洋ではバレンタインはどう違う? 」といった話題を英語で触れ、英語で伝えるバレンタインメッセージや「愛」にまつわる名言、格言を学びました。

【取材記者感想】

前回の石川清隆院長へのインタビューから1ヶ月後に再び大島記念嬉泉病院を訪ねました。インタビュー時に石川院長は「ピアッツア大島をもっと賑やかにしたい。縁日のような、いるだけで楽しくなる場所を目指したい」とおっしゃっていましたが、まさにその言葉通り大変賑やかになっていて驚きました。透析患者さんだけではなく地域の高齢者の方々も『たね』での食事に舌鼓を打ち、健康教室を活用し、演芸会も楽しんでいます。

『ピアッツア大島』は地域にとってなくてはならない文化サロンのようです。3月は「春の演芸会」、4月は「ルーマニア音楽と踊りの交流会」を開催して地域の人たちを笑顔にしています。こうした楽しい雰囲気作りが、多くの患者さんを間違いなく元気にしています。病院に行くことが日々の楽しみだと考えている患者さんはこの病院では多いのだと思いました。

※個別の返信は行っておりません。

よしいなをき

よしいなをき
透析歴7年になります。透析はしていますが普段はスポーツ自転車に乗って 体を鍛えています。 仕事は、平凡なサラリーマンですが、透析の時間を利用して、ブログを書いたり、小説を書いたりしています。透析は月、水、金の夜間にしているので、その時間にメッセージや、 コメントなど頂けるとうれしいです。

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