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自分のシャントをよく知ろう!
飯田橋春口クリニック・春口洋昭院長の解説とお悩み相談

【第9回】みなさまからの疑問・質問にお答えします
Part 4

2015.9.17

回答:春口洋昭

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お待たせしました! 飯田橋春口クリニック・春口先生がシャントに関する疑問・質問にお答えする第4弾です。今回は「シャント流量を知る方法について」「受けられるPTAの回数について」「血栓は体に危険なのか」 といったシャントトラブルの質問が寄せられました。今回も目からウロコの回答をいただきました。

質問1【シャント流量を知る方法について】
ニックネーム:匿名希望さん

数年前、シャント流量が2000mL/minまで上がってしまい、医師から「2000mL/minもあると心臓に負担がかなりかかる」と、シャントの血管をつぼめるオペをしました。その時は、頻脈(ひんみゃく:脈が非常に速いこと)があり、たまたまシャントエコーでシャント流量を調べたところ2000mL/minもあることが判明したのですが…。
シャント流量はシャントエコーだけでしか分からないのでしょうか? 患者自身が分かる方法があれば知りたいです。もしエコー以外にないようならシャントエコーは定期的に受けた方が良いのでしょうか?

春口洋昭先生からの回答

エコーや特殊な機器を用いずにシャント血流量を正確に知る方法はありません。
特に患者さん自身は、他の患者さんと比較ができませんので、適正なのか過剰血流なのかの判別はつきにくいと思います。ただ透析スタッフは多く患者さんのシャントに触れているため、大体のシャント血流量は推察できます。スタッフが血流過剰を疑えば血流量測定を受けるように指示されると思います。
患者さんご自身でわかる一応の目安としては、前腕で作製したシャントで肘部までスリルが良好に触れる場合は、1000mL/min以上ある可能性が高いと思ってください。
また過剰血流による心負荷症状(頻脈、血圧上昇、心胸比の上昇、階段昇降時の息切れ、なんとなく不調が続くなど)がありましたら、過剰血流の可能性がありますので担当医にお伝えください。


質問2【PTAの回数について】
ニックネーム:Izumiya11さん

最初のシャントは2年で潰れてしまい再建しました。 それ以後は何事もなかったのですが、再建後20数年経ってからは毎年PTAを定期的に行うようになりました。

一昨年の今頃、抜針時に出血が止まらなくかさぶたで止まっている状態になり、その部分を撤去し右腕にシャントを作り直しました。成長が遅いことから昨年は4回PTAをいました。血流はある程度(250〜300mL/min)は採れています。ただPTAを行う際のカテーテルが4mmでも痛くてたまりません。狭窄していなくとも年間4回のPTAを繰り返したのは無理に血管を広げているような気がしてなりません。左シャントの時にはPTAを20年間しなくて済んでいたのですが、現在、このように頻繁にPTAを行っていて大丈夫なのでしょうか?

春口洋昭先生からの回答

最初のシャント作製から20年経過して新たにシャントを作製した場合、加齢や腎不全の病態が続いているため、動脈硬化や静脈が硬くなるなどの変化が起きています。初回のシャントでは良好な血管でシャントを作製することができたため十分な発育が望めます。その後狭窄が出現しても、透析には問題ない程度の血流が得られることが多いです。ただ20年後は血管や全身の状態も変わっており、シャント作製の条件としては明らかに悪くなっています。そのためシャントの成長が遅く定期的なPTAが必要になっているのだと思います。
PTAは何回でも行えますが、PTAを繰り返していると血管にダメージが加わり、だんだんPTAの間隔が短くなることも多いです。3ヶ月に2回以上PTAを繰り返さなければならないときは、外科治療のほうが良い場合が多いので、担当医とご相談してください。


質問3【血栓は体に危険なのか?】
ニックネーム:ほすれさん

先日、シャント感染の疑いで入院しました。結果的には感染ではなく、血栓性静脈炎とのことでしたが、この時にできた血栓は、心臓や肺、脳などに流れるなど危険なことは無いのでしょうか? もし危険だとすれば、どのような治療をすればいいのでしょうか?

春口洋昭先生からの回答

まず、静脈血栓は通常一度肺で足止めされますので、血栓が心臓や脳に流れる危険はほとんどありません。ただ、卵円孔と言って、右房と左房をつなぐ孔がふさがっていない患者さんは、脳に流れる危険はわずかですがあります。
血栓が肺に流れるかどうかは、どのような血栓のでき方なのかによっても異なります。シャント血管が分岐していて、片方の静脈が血栓性閉塞を起こし静脈炎となった場合は、すでに閉塞しているため血栓が肺などに流れる心配はありません。
一方シャント本幹の壁の一部に血栓ができてその部分にシャント血流がある場合(壁在血栓といいます)は、血栓が肺に流れる可能性があります。その部分に穿刺したり強くマッサージをすると、血栓が壁からはがれて肺に流れる危険性があります。一度に大きな血栓が肺に流れると肺塞栓になり、呼吸困難や胸痛などの症状が出現します。ただ通常シャント静脈に形成される壁在血栓は少ないため、そのような危険はほとんどないといっていいと思います。それでも、シャント血流が流れている血管壁の壁在血栓の場合は、可能な限りその部分の穿刺を避けることと、強くマッサージしないことを心がけてください。


質問4【シャントの腕での腕時計の装着や血圧測定について】
ニックネーム:せるにさん

素朴な疑問なのですが、シャントの腕に腕時計をしてはいけない、血圧の測定をしてはいけないと言いますが、透析の穿刺時には駆血帯で腕を縛ることがあります。やはり腕時計はシャントとは逆の腕にした方がいいのでしょうか? また血圧測定も…やはりよくないですよね? 止血の圧迫はどの程度まで大丈夫でしょうか?

春口洋昭先生からの回答

腕時計ですが、通常シャント吻合部が腕時計をする位置になります。腕時計のベルトで吻合部を圧迫すると、シャントが閉塞する危険がありますので避けるのが望ましいです。またタバチエールシャントといって親指のつけ根に吻合がある患者さんも、シャント血流の通り道になりますのでシャント側に腕時計をしないでください。ただ吻合部が前腕中央部や肘にある患者さんは、腕時計の位置にシャント血が流れていませんので、腕時計をしてもいっこうにかまいません。

おっしゃるように透析の穿刺時には一時的に駆血します。この駆血は静脈血流のみを一時的に圧迫するものです。血圧計も一時的に駆血いたしますが、その際、動脈血流も一時的に遮断いたします。そのため、血圧計の駆血の方が強く、まだ自動血圧計の場合は駆血する時間を調整することができません。よってより血栓を形成しやすくなります。
また穿刺の際の駆血は透析をおこなうためのもので、他の方法で代用できません。また駆血前後で透析スタッフがシャントフローを確認することができます。一方、自宅での血圧計測定では透析スタッフがチェックすることができず、閉塞したりシャント血流が減少しても気づかないことがあります。非シャント側で血圧を測定することができるため、あえて危険をおかしてシャント側で血圧測定を行う必要はありません。

止血の圧迫は、血液が漏れない最も弱い圧迫が望ましいです。強く圧迫しても早く止血するわけではありません。また強く圧迫するとシャント閉塞の危険があります。スリルを感じる程度の弱い圧力で十分です。ただ、その時に血液が漏れると、止血しませんので、完全に止血していることが条件になります。

※個別の返信は行っておりません。

春口洋昭

春口洋昭

東京の飯田橋でバスキュラーアクセス専門外来のクリニックを開業しています。午前中に主にエコーを用いて、シャントの診察を行って、午後はPTAや手術の時間にあてています。私は鹿児島大学医学部を卒業後、東京女子医大腎臓外科に入局し、太田和夫先生の指導のもと、一般外科、腎移植、泌尿器科などの研修を受けました。8年前に開業してから、もっぱらバスキュラーアクセスの診療に携わっています。 飯田橋春口クリニック外部サイトへ

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