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【第5話】海外旅行透析(準備編)

2017.10.16

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イメージ 2012年に行ったオーストラリア第3の都市ブリスベンのグリーンスロープス病院の入り口

前回まで国内での旅行透析のお話をしました。
今回からは海外での透析について、特に現在は海外透析のハードルがかなり下がってきていること、困ったことにどう対処するかの実体験を中心にお話ししたいと思います。

皆さんは海外での透析というと、どうお考えになりますか。
言葉の問題はどうか、同じ条件の透析が受けられるのか、保険書類は書いてくれるのか、などなど不安なことがいっぱいかと思います。かく言う私も初めての施設での初回はいまだに緊張します。


施設の予約について

最初のハードルは施設の予約だと思いますが、予約方法は大きく分けて2つあります。
1つは旅行会社や代理店等にお願いする方法、もう1つは自分で探す方法です。

旅行先が観光地或いはある程度知られた街の場合は、旅行会社や代理店等にお願いする方法がおすすめです。特に、初めての海外透析でしたら確実にこちらがいいでしょう。 もちろん手数料は発生しますが、経験を活かして病院への問い合わせや書類の手配をしてくれます。

手数料を高いと思うか、その後の手間を考えると安いと思うか、それぞれの考え方はあると思いますが、最近私は「時間と手間のかかる部分は任せてしまおう」と割り切ってお願いすることが多いです。
一例として、ハワイだとトラヘル・ハワイの矢田さん外部サイトへのような専門の方もいらっしゃるので、安心して透析を受けることができます。
他にもインターネットで検索するといくつか会社が出てきます。
こうしたウェブサイトから病院を予約して、自分でホテルと航空券を予約すると、結構割安に行くことができます。

JTBのように大手ですと比較的小さい街まで網羅されているかと思いますが、それでも取り扱っていない街の場合は自分で探すことになります。 そんな時は医療機器メーカーのフレゼニウスが運営しているDialysis Finder外部サイトへのようなウェブサイトを活用して自分で病院を探し、メールまたはFAXで交渉します。 もちろん英語ですがインターネットが使える環境ならテンプレート文がダウンロードできますので、翻訳サイトを使いながらやりとりができるようになっています。
本場アメリカでは既にインターネットで予約できるようになっているようです。
私も最初にアメリカのデトロイト近郊のアナーバーという街に仕事で出向いた際は、Dialysis Finderで病院を探し、直接メールで交渉しました。


予約のための書類作成から支払いまで

本当の意味で難しいのが、病院に提出する書類の作成ではないでしょうか。
アメリカの場合をお話しすると、日本と異なり医療が選択できます。例えば透析は「何時から始めたいのか」「何時間したいのか」から、「ダイヤライザーは使い回すのか、新しいものを使うのか」「ヘパリンは入れるのか、入れないの」か等々、さすがは自由の国、全ての選択が自由です。
ただし自由に選べる代わりに自己責任が原則となり、選択の仕方で透析費用が大きく変わります。
ヘパリンは1本いくら、ダイヤライザーが1本いくら、そういった積み上げで透析費用を請求されるのです。
国内だと保険が適用されているので、後で送付される保険点数ぐらいしか分かりませんが、海外では事前に金額を確認したうえで契約します。
さらに、同意書。
この治療を受けることでこんなリスクが…といったことが書かれた同意書にサインすることになります。さすが契約社会と思わせる書類の多さでした。

そういった契約関係、同意書などの作成と並行して主治医に透析記録を書いてもらいます。さらに直近の血液検査、感染症検査の結果、注射薬や内服薬のリスト等を用意してもらい、病院に送ることになります。
郵送、FAX、メールから選択しますが、今はメールが多いでしょうか。以前は10枚以上の書類をFAXしたこともあります。国際電話になるので時間もかかるし、なかなかいいお値段になりました。

こうして予約が終わると、お金の支払いになります。
現在ではクレジットカードで支払うこともできますが、以前はトラベラーズチェック(T/C)や現金のみでしたので、返事がきたらすぐ銀行に行ったものでした。

相場はおおよそ1回あたり4万円だと思います。そこにオプションの有無や国の物価によりプラスマイナスがあります。
例えば台湾は安めで3万円ぐらい、対してオーストラリアは高めで6万円ぐらいといった感じです。
透析に係る費用は日本もほぼ一緒なので、ここで「透析って高いものだな」ということが実感できます。


ホテルの予約について

透析の予約が完了したタイミングで、病院への行きやすさや観光や仕事先への行きやすさを考慮して、ホテルを予約されると良いでしょう。
旅行会社ならホテル予約もしてくれますが、立地や場所についてまで考えてくれるとはあまり思えません。自分でできるのであれば、自分で予約することをおすすめします。この点は国内でも一緒ですね。

エクスペディアやトリップアドバイザーなどの海外の予約サイト、Hotels.com、じゃらんなど日系の予約サイトなど、最近はたくさんのウェブサイトがあるので実際に見て比較検討してみてください。
さらにGoogleのストリートビューを使って、周りの雰囲気、病院までの道のりを見ておくのも必須です。
海外では道を1本曲がっただけで危険地帯ということがあるので、雰囲気だけでも確認しておいたほうが無難です。
自分で移動するなら路線バスの時刻表とか、地下鉄等にプリペイドカードがあるかどうかなども先に調べておくと良いでしょう。分からなければ現地でホテルのコンシェルジュ、もしくは空港の観光案内で聞かれても良いかと思います。


飛行機移動で覚えておきたいこと

最後は飛行機についてです。
もし透析食ないしは減塩食をオーダーできるようならそのほうが良いでしょう。安心してごはんを食べられます。もちろん味は…なので、あえて普通食にするのもありです。
オーダーできる場合は事前にメニューを確認できることが多いので、メニューを見て選択されるといいですよ。
また機内では水ではなく、氷を出してもらうようにオーダーされるとキャビンアテンダントさんに嫌な顔をされずに済みます。
さらに氷のオーダーは、乗る前のカウンターでダメ押しがおすすめです。往路は話が伝わっていても、復路に伝わっていないなんてよくあることです。
日系航空会社の往復ならまだいいのですが、海外系航空会社なら確実にダメ押しが必要だと思ってください。
シンガポール航空のような評判のいい会社でも、日本→シンガポール間には伝わっていましたが、シンガポール→日本間には伝わっていませんでした。
往路は夜中便だったので、寝てしまい問題なく現地に到着しましたが、復路は午後便だったので起きている時間が長く、水分をかなり我慢しながら乗っていました。

さあ、後は出国して病院へ行くだけです。
海外ならではの必需品もあります。そのあたりは次にお話ししたいと思います。

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よっしー

よっしー

岩手県生まれです。小学生の時にIgA腎症と言われてから腎臓病と付き合ってきました。23歳、大学卒業と同時に透析導入しました。透析歴20年です。
仕事は大学で技官として学生さんの指導に当たっています。
透析は火曜コースの夜間です。旅行が趣味で実益とかねて日本全国、最近は海外にも出かけています。