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【第1話】はじめに

2017.2.6

文:よっしー

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イメージ 2008年にシアトルに行った際、
オリンピックビュー病院から撮ったシアトルの街の写真です。

はじめまして、よっしーと申します。
今年で透析19年目、もう少しで20周年となります。
長いものですね。
導入当初は、こんなに長く透析と付き合うとは思ってもいませんでした。

長く透析していますが、はっきり言ってダメ患者です。
体重増加は1日空きで3%、2日開空きで5%以内と言われていますが、ギリギリかちょっと超えます。
導入当初なんて、大量増加ってこともありました。

カリウムだって摂り過ぎて心臓が苦しくなり、病院で「死ぬ気?!」って怒られたこともあります。

こんな私でもなんとか19年、透析しながら大学に通い、仕事をして生きてきました。
食事療法、水分制限も透析のことだけ考えているわけにもいかないので、できるだけ考えることなく楽に実行できる方法はないか試行錯誤の繰り返しです。

さらに、透析しながら国内はほぼ北海道から沖縄まで47都道府県を訪れたことがあります。そのうち18都道府県では、透析もしました。海外でも数回透析を経験しています。

そんな経験が少しでもこれから透析導入の方、既に導入されている方のお役に立てばと思い、筆を執った次第です。どうぞよろしくお願いいたします。


まずこれから透析される方、透析にどんなイメージをお持ちでしょうか。
世間的には暗いイメージを持ち、落ち込む方が多いと聞きます。
あれができない、これがダメになる…不安でいっぱいですよね。
でも、本当のところはどうでしょう?

私は実際、導入前はあまりよく透析について理解できていませんでした。
週3回ぐらい病院に通って、数時間治療するってことは確かに知っています。
導入時ビデオや冊子なんかも病院で見せられるかと思います。
だからと言ってこれだけでもう終わりって落ち込みますか?
どちらかと言えば「大変だ、仕事(学校)どうしよう」って思いの方が大きいのではないでしょうか。
病気や治療についてのどうのこうのより、今生活とそれに合わせたリズムがあり、それが崩されるのか維持できるのか。
辞めて違う道を選択しなければならないのか、そんな現実的なことを迫られる方が多いのではないかと思います。

結論から言いますと、その点はご安心ください。
今は夜間透析をしている施設が全国にあり、17時まで仕事をしてから透析を受けることが可能です。
さらに透析により慢性腎炎時代より食事制限が緩和されるので、余計に食べられます。
その上、透析により毒素が抜けることで、なんと食事が美味しく感じられるようにもなるなんてオマケ付きです。
最近などはHDF(血液濾過透析)にするとその効果が倍増し、食べる量を抑制しないとおいしくてつい食べ過ぎることも。

つまりここで言いたいのは、透析になった・なるからと言って落ち込む必要もないということです。
気の持ちようでその気分なんていくらでも好転できます。
私も最初は、大変だ、どうしようって慌てましたし不安にもなりました。
行く予定だった大学院もキャンセルとなり、契約していた部屋も解約しちょっとお先真っ暗な感じでした。
特に導入時期に肺炎も併発していたので、それどころではないぐらいの高熱と体調不良でもあったのですが。
ですので、みなさんが不安になるのもわかります。

ただ、透析になると時間を奪われる、食事を制限される、水分も制限される、と考えるとこれは負のスパイラルですよね。
どんどん落ち込んで、透析を受けることが嫌で嫌で仕方ない感じになるかと思います。
だったら、同じ透析を受けるでも騙されたと思って考え方を変えてみませんか?
例えば、透析時間はエネルギーチャージ時間、食事もここまで食べられる、水分もここまで飲める、と転換して考えるとなんだか満ち足りてきますよね。

実際、透析時間に患者さんは音楽、テレビ、映画、ブログの執筆などで時間をつぶしています。
また、中には透析中ベッドの上で腹筋などのストレッチをやっている方、机の上からベッドの上に書類を広げ、片手でパソコンやタブレット端末で仕事されている方までいらっしゃいます。
そんな行動派でなくとも、ここぞとばかり爆睡していく方、あまり良くないのですが除水にプラスして、ここぞとばかりコーラやジュースなどお好きな飲み物をがぶ飲みされる方も。


また、透析室でもよく聞くワードに「透析を受けると、2日に1回は病院に行かなければならないのでどこも行けない」という言葉があります。
ちょっと待ってください。
これだって透析のシステムは日本国内であればほぼ共通なのですから、特殊な透析条件でなければ、日本のどの施設でも自分の施設と同じ条件で透析してくれると考えて良いでしょう。

さらに旅行だったら、今ではこの日本式透析は台湾をはじめとして、東南アジア、オセアニアあたりまで広がっています。
このためになんと世界の1/4は選択肢に入るのです。あなたのフィールドは世界の1/4ですよ。結構十分な広さでないですか?
中には宮崎、沖縄はもちろん、シンガポール、ハワイなどのリゾート地も入っているのですから。
実際、オーストラリアでもニプロさんの機械とダイアライザを見せられ「今日はこれだから安心してね!」なんて、恰幅のいい白人のおばちゃん師長さんに親指を立ててにっと笑いかけられました。
機械はアメリカ製でも、ダイアライザーは日本製ということも、よくあることです。

どうでしょう?
少しは気が楽になりましたでしょうか。
私は実際、この転換ができてから楽になりました。
もちろん「いきなりポジティブシンキングは難しい」という方もいらっしゃると思います。
そんな方もこれを読んで「ではここから少し変えてみようかな?」ぐらいに思っていただけるだけでも大きな変化を生みます。

みなさんでこれから面白い透析生活にしていきましょう。
これからしばらくよろしくお願いいたします。

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よっしー

よっしー
岩手県生まれです。小学生の時にIgA腎症と言われてから腎臓病と付き合ってきました。23歳、大学卒業と同時に透析導入しました。
仕事は大学で技官として学生さんの指導に当たっています。
透析は火曜コースの夜間です。旅行が趣味で実益とかねて日本全国、最近は海外にも出かけています。

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