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我が家の透析導入と海外透析

【第3話】「えがお」設立のきっかけ1

2014.3.20

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今回と次回の2回に渡って『自分たちが海外旅行の透析予約を代行しようと思い立った出来事』を書こうと思います。

2007年の6月に透析を導入してから、翌年の6月に仕事でアメリカ合衆国・ユタ州・ソルトレイクに渡米することになり、初めて海外での透析を受けようと決心しました。

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「どうにかなるだろう」と最初は簡単に考えていたので、現地の下調べもそこそこにツアーを申し込んでしまいました。
申し込みが完了し、予約金を振り込んでからユタ州で透析が出来る施設を探し始めました。
パソコンで調べると、大手旅行代理店の透析ツアーがズラリと並んでいたのですが、ユタ州はマニアックな所なのかどこにも載っていません。。。

「旅行の事は旅行のプロに聞くのが1番!」と思い、旅行代理店のツアーデスクに電話をしました。
そこは海外透析旅行の専門部署があり、さまざまな観光地で透析旅行を行った実績があったので期待を胸にかけた電話でした。
旅行代理店の担当者さんは「ユタですか〜。あまり日本人が観光で行かない場所で実績がないので、予約をいれられるかどうか。。。」と非常に曖昧なお返事。

一瞬、背中にイヤーな汗。
「もしかして、これは一筋縄ではいかない旅行になるかも」と予感がしました。
結局、旅行代理店のツアーデスク頼みにはせず、自力で何とかならないか模索し始めました。

主人のクリニックのスタッフさんや患者さん同士で情報交換をしても、ユタ州の情報は全く得られません。
そこで、日本語サイトではらちが明かないと思い、英語のサイトで探し始めました
(実は、その少し前まで英語サイトは国際電話発信をしていると思っていたほどのパソコン音痴でした)。
何日もかけて病院を探しだし、早速透析予約を入れられるか確認するFAXを送信しました。
しかし、3日経っても、1週間経っても、2週間経っても返事がありません。
不安になって、別の施設も探しだし(大学病院でした)同じFAXを送信しました。

透析を受ける主人本人が、夜になると「もう、旅行なんか行けない。行ってはいけないんだ」と何度も言いました。どうする事も出来ない不安感があったのだと思います。
その姿を観て、私も不安になりましたが「必ず旅行先で透析する!!」と心に決めて励ましました。

3週間目にやっと、最初にFAXをした施設から連絡が来ました!
何とも言えない感動がありました。

私たちは、楽しみ3割、不安が6割、あとの1割はどうしたら良いのかやり場のない気持ちでした。
翻訳ソフトを購入し英語の苦手な担当医と協力して、メールや同意書を1つ1つ翻訳し、分からない事は問合せをして少しずつ渡航の準備をしました。

ワクワクとドキドキをトランクに、お薬と書類を手持ち荷物にいっぱい詰めていよいよ渡米!
当時は成田空港から直行便がなかったので、シカゴで乗り換えてユタ州・ソルトレイクに入りました。
無事にユタ州のホテルにチェックインし、翌日は半分観光、半分仕事。
6月ですが夜7時を過ぎてもまだ外は明るく、時差ボケと重なって時間の感覚はズレまくりました(笑)

3日目に透析の予約をしており、ホテルからクリニックまでの距離は30km以上。さらに早朝の予約だった為タクシーで送迎してもらいました。
緊張しながらクルマに乗っていると、女性タクシードライバーのカレナが「ここだけど?」と言うのです。
確かに、旅行前にgoogleのストリートビューで予習した街並みでした。
でも、日本のクリニックみたいな看板は全くなく、外見は普通のオフィスビルのようでした。

私たちのたどたどしい英語を車内で聞いていたカレナは建物の中まで行き、場所が合っているか聞いてきてくれました。
中に入ると、どうやらそこは開業医や診療所が多く入居しているメディカルビルのような造りになっていました。

透析室に行くと若い女性看護師さんが名前を呼んで、ニコニコしながら話しかけてくれました!
やっと少し緊張がほぐれました。
書類を提出したり、体重を測ったり、と日本の病院と変わらない測定をして自分の席に案内されました。
そう、ベッドではなく、席なのです。正確に言うとリクライニングソファですね。

穿刺をしてもらうので待っていると、日本の3倍くらいあるカテーテルみたいな太っとい針の袋を破って取り出しました!
びっくりしているのも束の間、針刺しが上手くいかず、血管に入って行きません。
上手な人に交代してやっと穿刺が出来ました。

そして、透析が開始されました!
すると主人が「これ、血液流量が早すぎる」と言うので、見てみると500mL/minで回っているのです!!
いつものグルグルが、見た事もない早さで回っていました(驚!)
シャントが壊れちゃう!!」
とナースさんを呼んで、300mL/minに修正してもらいました。

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1時間ほど過ぎた頃、急に透析器械が「ピーっ!ピーっ!」とけたたましい音を立てて止まりました。
焦っても何も出来ないので、ナースさんを呼ぶと走ってきてくれました。
すると、一時透析を中断し、器械を別のものに変えました。

器械が新しくなって、問題ないのを確認してから師長らしき人が、電話を持って現れたので電話に出てみると、受話器の向こうで「こんにちは。」と日本語が聞こえました。
師長さんが器械トラブルを説明するために、日本語部署へ電話をかけてくれたのです。
どうやら、先に入れる筈のへパリンを入れずに始めてしまったからとの事。
何にも説明されないより、一言でもこういった形で説明されるととても安心しますね。

無事に4時間の透析を終え、体重計に乗るとドライウェイトぴったり!
異国の地で、日本と同じ透析が受けられた事に感動しました。

その後はタクシーのカレナに電話をして迎えに来てもらい、同行していた友人と落ち合いました。

2回目の透析は、お互い顔も覚えて緊張しないで受ける事が出来ました。
待合室や透析室のおじいちゃん・おばあちゃんにも笑顔で「Good Morning!」と言えました♪

この初めての海外での透析を受け、私も主人もすごく自信がつきました。
今までは「生活全てに制限がある」とマイナスにとらえてしまっていましたが、この経験で「制限はあるけど、普通の人とは違った経験が出来る」とプラスの考え方が身につきました。

見た事のない景色や感じた事のない空気を直接肌で感じ、海外旅行の素晴らしさを初めて知りました!

「健康なら大きな決意など要らずに海外旅行を楽しめるのに」と思っている方もいるかも知れません。
本当はそうあってはならないのです。
このユタの旅行で、透析というハンディキャップを1つの個性として捉えていいんだ、と強く感じました。

次回は、海外透析予約代行『えがお』の設立のきっかけをお話したいと思います。

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ミヨシ

ミヨシ

埼玉県在住。1974年生まれの主人が2007年6月8日に血液透析を導入しました。快適な毎日が送れるように試行錯誤の日々です。外国へ渡航する際に不安で苦労した実体験を基に透析が必要な方とご家族のお手伝いができればと《海外透析予約代行「えがお」》を2009年に立ち上げました。海外旅行のご相談はお気軽に下記ホームページまでどうぞ。
海外透析予約代行《えがお》