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基礎知識

災害時の薬・食事の管理

2013.4.1

文:じんラボスタッフ

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1. 薬の管理

災害時でも薬は服用しなければなりません。しかし災害時にはいつも服用している薬がすぐに入手できるとはかぎりません。そのため平常時から薬を整理し、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。お薬手帳のコピーと一緒に、服用しているお薬を1週間分ほど、緊急災害時の持ち出し品として準備しておきましょう。また、外出時に万が一災害に遭うことを考えて、3日分ほどをいつも携帯しておくとよいでしょう。

薬には数日間飲まなくても、すぐには身体に影響が出ないものと、飲まなければすぐに影響が出るものがあります。平常時から主治医の先生に飲まないと早期に身体に影響を及ぼす薬について確認しておき、日ごろから意識して、継続して飲むようにしましょう。

欠かさずに飲まなければ早期に身体に影響を及ぼす薬

  • 心臓の薬(ニトログリセリン製剤)

  • インスリン

  • カリウムを下げる吸着剤(イオン交換樹脂など)

  • 降圧薬(災害時のストレスや、不規則・不十分な透析で血圧が不安定になる可能性があります。)

糖尿病の方

糖尿病の方は、災害時のストレスや不規則な食事などのために血糖コントロールが難しくなります。災害時も、主治医、もしくは避難所の医師に相談しながら、以下の点に注意して、自己管理に努めましょう。

  • インスリン治療中の方は、災害時もインスリン注射を中断してはいけません。血糖自己測定機器は常に携帯し、血糖値を測定してインスリンの量を調節しましょう。70mg/dL以下の低血糖であれば、すぐに糖分を含んだ食品を摂取しましょう。

    • Ⅰ型糖尿病の方

      中間型インスリン・混合型インスリン・持続性インスリンは、食事に関係なくインスリン基礎分泌量を補うために使う物なので、食事がまったくできない場合でも、いつもどおりインスリン注射が必要です。

    • Ⅱ型糖尿病の方

      食事が全くできなくても、普段の1/2程度の量を注射しましょう。ただ、食事ができない場合のインスリンの量は個人差があるので、平常時に主治医に確認しておきましょう。

    • 災害時は、インスリン製剤と注入器が一体になっているプレフィルドインスリン製剤が便利です。予備のインスリンや器材を自宅や勤務先に準備しておきましょう。災害時、針が不足している場合は、自分の針に限ってなら複数回使っても大丈夫です。

  • 糖尿病の薬を内服中の方は、薬を減量または中止するのはやむを得ないこともあります。食事ができない場合の糖尿病の薬の飲み方は、平常時に主治医に確認しておきましょう。災害時も主治医や避難所の医師に相談しながら服用しましょう。状態によっては薬を服用して低血糖になってしまう場合があります。

  • 低血糖に備えて、キャンディやチョコレートなど、糖分を多く含む食品や飲料を常備しておきましょう。


2. 食事の管理

災害時には、透析が受けられなかったり、透析の回数や時間が減ったり、薬が入手困難であったり、食糧が不足したりなどということが想定されます。そのような状況でも、食事と水分の量を厳格に自己管理して過ごしましょう。

  • エネルギー摂取不足にならないように気を付けましょう。エネルギーが極端に不足すると、人体は必要なエネルギー源を確保するために筋肉を分解し、それによって蛋白質とカリウムができます。蛋白質は体内で尿毒症を起こす原因となり、頭痛、吐き気、全身倦怠感などの症状を引き起こします。カリウムが体内に蓄積されると高カリウム血症となり、脱力感、唇や手足の痺れ、不整脈などを引き起こします。尿毒症も高カリウム血症も非常に危険です。

  • カリウム、蛋白質、塩分の多い食品は控えめにしましょう。被災地では、果物や野菜、簡単に調理したものも支給されますが。これらは、カリウム、蛋白質、塩分が多めに含まれていることがあるので、包装やラベルに表示されている栄養成分量を参考にしながら、加減して適正な量を食べるようにしましょう。
    ※栄養成分表示には塩分量が「食塩」または「ナトリウム」で表示されています。ナトリウム(Na)を食塩に換算するには、食塩(g)=Na(g)×2.54で計算します。

  • 水分量は、飲む分量と食物に含まれる分を併せて、1日「300~400mL以下+尿量」に抑えましょう。逆に水分量が少なすぎると、エコノミークラス症候群や深部静脈血栓症など命に危険が及ぶこともあります。適正な水分摂取を心がけましょう。

  • 平常時から、エネルギーや、蛋白質、カリウム、塩分の量を考慮に入れつつ、3日分の食料を備蓄しておきましょう。

1日の栄養量の比較例

外来透析で、尿量0、体重50Kgの人の場合

透析を継続して受けられる平常時 透析を継続して受けるのが難しい災害時
エネルギー (Kcal) 1,500 ~ 1,750 1,300 〜 1,500
カリウム (mg) 1,500 500 〜 1,000
蛋白質 (g) 50 ~ 60 30 〜 40
塩分(g) 〜 7.5 3 〜 4
水分量 (mL) 〜 750 300 〜 400
災害時の栄養量は「平成12年度厚生科学特別研究事業報告書(2001年3月)より、
平常時の栄養量は「日本腎臓学会編 腎疾患の生活指導・食事療法ガイドライン 1998 P.88 東京医学社」より抜粋

東京都の備蓄食料品の栄養成分例

品名 エネルギー カリウム 蛋白質 塩分 水分量
(Kcal) (mg) (g) (g) (mL)
クラッカー 15g 74 17 1.3 0.24 0.41
乾パン 30g 120 48 2.9 0.36 1.7
即席麺(保存時) 75g 340 200 7.6 4.8 2.3
アルファ化米(保存時) 100g 390 66 5.8 - 8
米飯 120g(茶碗小) 202 35 3 - 72
米飯 160g(茶碗大) 269 46 4 - 96
梅干し 5g(可食部分) 1.7 22 0.045 1.1 3.3
たくあん 30g 19 42 0.36 1.3 24
みそ 6g(小さじ1) 21 36 1.2 1.2 0.14
みそ 18g(大さじ1) 62 110 3.6 3.6 0.43
醤油 5mL 2.7 16 0.29 0.8 3.5
食塩 5g(小さじ1) - 3 - 5 -
備蓄食料リスト:東京都総務局総合防災部ホームページより抜粋
食品成分表:文部科学省編 五訂増補日本食品標準成分表2005 を参考

災害時に支給されそうな食品

食品名 一個あたりの目安 エネルギー
(Kcal)
蛋白質
(g)
カリウム
(mg)
水分
(ml)
食塩
(g)
ご飯
パン
おにぎり 100g 180 2.7 31 57 0.5
アンパン 70g 200 5.5 54 25 0.5
クリームパン 70g 210 7.2 84 25 0.63
ジャムパン 70g 210 4.6 67 22 0.56
ロールパン 50g 160 5.1 55 15 0.6
クロワッサン 50g 220 4.0 45 10 0.6
果物
飲み物
バナナ 可食部分
100g
86 1.1 360 75 -
りんご 可食部分
180g
97 0.4 200 150 -
みかん 可食部分
80g
37 0.6 120 70 -
トマトジュース 150g 26 1.1 390 140 0.9
サイダー 200g 82 - - 180 -
参考:文部科学省編 五訂増補日本食品標準成分表

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参考

  • 東京都福祉保健局(2006年3月改訂版)『災害時における透析医療活動マニュアル』
  • 東京都区部災害時透析医療ネットワーク(2010年8月)『透析患者災害対策マニュアル』
 
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