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基礎知識

透析療法でのさまざまな合併症

2013.4.1

文:じんラボスタッフ

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透析療法で現れる慢性合併症

透析療法を長期間行っていると、さまざまな合併症が現れてきます。腎臓の機能が低下し始めた段階からのものと、腎代替治療としての透析療法の限界によるものもあります。適切な透析と薬物療法をはじめ、生活習慣の管理や食事療法などでできるだけ病状を改善し、正しい知識で合併症を防ぎましょう。

透析療法の主な慢性合併症

1.腎性貧血

主に腎臓で分泌される造血ホルモン、エリスロポエチン(EPO)が腎臓の機能が低下することにより産生されなくなることが原因で起きる貧血を腎性貧血と言います。腎性貧血は、心血管系合併症の原因にもなります。

2.CKDに伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)

CKDの進行にともなって起こる、ミネラル代謝異常を現す全身性疾患です。腎臓は、ミネラル代謝調節に大きな役割を果たしているため、腎臓の機能が低下すると現れます。
血中のカルシウムとリンは相互にコントロールし合っています。カルシウムの濃度は副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンDによりコントロールされています。腎臓の機能が低下すると、この相互関係がうまく機能しなくなり、PTHが過剰に分泌され骨が溶け骨折しやすくなったり、骨や関節が痛くなったりします。PTHの過剰分泌によって骨から溶け出したカルシウムがリンと一緒になって血液の壁に付着し、血管の石灰化を引き起こします。血管の石灰化は心血管系合併症の原因にもなり、生命予後に影響を及ぼします。

3.透析アミロイドーシス

長期透析患者さんに頻発する血液透析固有の合併症です。β2-ミクログロブリンが排泄されなくなって血中に溜まり、やがて骨や関節に沈着することによって痛みとともに機能障害を起こす治療が難しい合併症です。
長期間にわたる透析患者さんや透析開始時の年齢が高い患者さん、純度の低い透析液や体への適合性の低い透析膜を使っての透析を行った場合で、発症のリスクが高いといわれています。

4.高血圧、心不全、不整脈、心嚢炎
5.虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症
6.栄養障害、感染症、悪性腫瘍 など
鈴木 一之(2009)『透析医が透析患者になってわかったしっかり透析のヒケツ』メディカ出版、日本透析医学会『血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン』透析会誌44:337〜425,2011 より引用して一部改変

体液量管理の重要性

日本透析医学会の統計調査報告では、透析患者さんの死因は、心不全(26.7%)、感染症(20.3%)、悪性腫瘍(9.1%)の順番ですが(2011年12月末)、心不全・脳血管疾患・心筋梗塞という心血管系合併症による死亡の合計が40%以上を占めています。これは、体液量が過剰な状態または高血圧が原因であると考えられ、体液量の管理の重要性を裏付ける結果となっています。
透析患者さんは腎臓の機能の低下により水分や塩分が体に溜まりやすい状態にあります。水分と食塩の摂り過ぎは、体液量を増加させてうっ血性心不全(心臓が全身に必要な量の血液を送り出すことができなくなった状態)などの急性の病態の原因となります。

2011年死亡患者の死亡原因分類

2011年死亡患者の死亡原因分類

日本透析医学会(2009年12月31日現在)『わが国の慢性透析療法の現況』 より引用して一部改変

合併症を防ぐためには

しっかり透析(透析条件)

質と量が確保された十分な透析を受けることが重要です。そのためには望ましい透析の条件と、自分がどのような透析を受けているかを知る必要があります。詳しくは「透析患者さんの検査」を参照してください。また、自分の透析を十分に理解するための透析管理マネージャーWebアプリケーション「とうせきくん」のご利用をおすすめします。

生活習慣の管理と食事療法

適正体重を維持して、体液量が過剰な状態になるのを防ぐのは生活習慣の管理と食事療法です。また、脂質異常は心血管系合併症、特に心筋梗塞の原因となるため、LDLコレステロール等脂質を低下させることが必要となります。 詳しい食事療法については「食事療法」を参照してください。 その他、腎臓の機能に悪影響を及ぼさない程度の適度な運動を心がけましょう。

血圧の管理

高血圧は、心血管系合併症の原因となります。血圧の管理については「病気の段階と治療」を参照してください。

シャントの管理

シャントは、血液透析を受ける度に針を刺すため、清潔を保てるように注意しましょう。透析患者さんの死因の第2位が感染症です。肺炎、結核、肝炎、尿路の感染やシャント部の感染から感染しやすく、免疫力が低下しているため重症化しやすくなります。
シャントの過大血流などによって心臓に大きな負担がかかり、心不全の原因となることもあります。
また、透析患者さんにとっては命綱であるシャントの狭窄(狭くなる)や閉塞も合併症の一種です。閉塞すると作り直しですが、狭窄の発見が早ければ再手術をしなくてすむことがあります。異常を早めに発見できるように心がけましょう。「透析バンザイ!!!外部サイトへ」の 「シャント学習会・・・。(その7)外部サイトへ」では、シャントを観察するためのポイントを分かりやすく説明しています。

参考:透析導入時に起きる不均衡症候群

血液透析を導入した初期に起きる合併症に不均衡症候群があります。透析の最中や透析後に、頭痛、吐き気、脱力感、けいれんなどが起こります。これは、血液と脳の尿毒素の濃度の差によって起きると考えられています。導入時に起きやすいのは、体内に老廃物が多く溜まっているため濃度の差が大きいためです。ゆっくりと無理のない透析を行うことで予防が可能です。
透析に慣れるにつれて起きにくくなりますが、食事療法で体内に老廃物を多く溜め込まないようにしましょう。

※個別の返信は行っておりません。

参考

  • 日本透析医学会(2011年12月31日現在)『わが国の慢性透析療法の現況』
  • 日本透析医学会『血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン』透析会誌44:337〜425,2011
  • 日本透析医学会『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン — 透析会誌45(4):301〜356,2012』
  • 北岡建樹(2012)『透析用語百科事典』永井書店
  • 鈴木 一之(2009)『透析医が透析患者になってわかったしっかり透析のヒケツ』メディカ出版
 
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