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腎臓病(慢性腎臓病:CKD)・透析と正しく向き合い、知って、共感して、支え合って、自立する。
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基礎知識

腎臓病とは

2013.4.1

文:じんラボスタッフ

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腎臓病とは、なんらかの疾患や薬などで腎臓に障害を受け、蛋白尿、血尿、むくみ、高血圧などの状態が現れる腎臓の疾患の総称です。
腎臓は、私たちの健康においていくつかの重大ないくつかの機能を担っています(「腎臓のはたらき — 腎臓の主な機能」参照)。機能を果たせなくなるとさまざまな体のトラブルに見舞われます。
腎臓病になると、腎臓の機能が消失した「腎不全」と呼ばれるに状態に向かって進行します。この進行は速度や病気の具合、原疾患によって急性と慢性に大別されます。
急速進行性腎炎などの例外を除いて、一度失われた腎臓の機能は元に戻ることがなく多くの場合は慢性の腎不全となります。さらに腎臓の機能が低下し自分の腎臓で日常生活を送ることが困難になった場合は、透析療法や腎臓移植などの腎臓の機能を代替する治療が必要となります。
失われた腎臓の機能を元に戻すことは難しいのですが、早い段階で治療を開始し進行する病状に合わせた適切な治療法と生活習慣の改善などで、腎臓の機能の低下を防いだり、進行を抑えることは可能です。
また透析治療は、より患者さんのQOL(生活の質)を高める治療へと進化しています。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease、以下 CKD)とは、一つの病名ではなく、腎臓の機能が慢性的に低下していく腎臓病の総称です。
診断を簡単にしたり患者さんが理解しやすくするための新しい定義で、原疾患が何であっても、広く腎臓に障害があるまたは機能が低下しているという「慢性」の状態が3ヶ月以上持続している事実を、検診や簡単な外来検査で診断します。
患者さんは1330万人(20歳以上の成人の18%、8人に1人)いると考えられ、2011年末には透析療法を受けている患者さんは30万人を超え、CKDは新たな国民病として注目されています。そのため、日本腎臓学会を中心に国や自治体などが、普及啓発などのCKD対策を進めています。

慢性腎臓病(CKD)の考え方


腎臓病の特徴

患者数の多さ

末期腎不全の予備軍としてのCKD患者数は、高齢化・糖尿病により年々増加しています。 日本国内はもとより、患者数の増加による国家予算面で医療経済の圧迫となっていることから、世界的にも社会問題として注目されています。

日本におけるCKD患者数(%)(20歳以上)
GFR
ステージ
GFR
(mL/分/1.73m2
尿蛋白
−〜±
尿蛋白
1+以上
G1 ≧90 2,803万人 61万人(0.6%)
G2 60〜89 6,187万人 171万人(1.7%)
G3a 45〜59 886万人(8.6%) 58万人(0.6%)
G3b 30〜44 106万人(1.0%) 24万人(0.2%)
G4 15〜29 10万人(0.1%) 9万人(0.1%)
G5 <15 1万人(0.01%) 4万人(0.03%)
のところがCKDに相当
GFRとは:糸球体濾過値(GFR: glomerular filtration rate)。血清クレアチニン値、性別、年齢を用いて推算する、腎臓の機能を評価する指標
出典:平成23年度厚生労働省CKDの早期発見・予防・治療標準化・進展阻止に関する研究班

自覚症状が少なく放置されやすい

CKDのステージが進行し腎臓の機能がかなり低下していても自覚症状がほとんどないため、病院での検診・検査を受けて初めて診断されることが多く、またCKDと診断されても放置されてしまうこともあります。CKDが進行し、高血圧・貧血などの自覚症状が現れてからの治療は非常に困難です。

心不全や心筋梗塞、脳卒中の危険性が高い

軽い腎臓の機能の低下や蛋白尿が、心筋梗塞や心不全および脳卒中の大きな危険因子であることが明らかにされています。透析患者さんの死亡原因は依然として心不全が1位です。


腎臓病の症状

  • 朝起きて最初の尿(早朝第一尿)で色や泡立ちをチェック
  • 市販の試験紙を使えば、尿蛋白、尿糖、血尿を家庭でチェックできる
  • 異常を感じたら、放置せずにすぐに受診

腎臓病になり病状が進行すると、排尿、尿、血圧の異常などさまざまな症状となって現れます。これらの症状が全て現れるわけではなく、軽度のうちは症状が現れても見過ごされがちです。
なんらかの異常を感じたら、放置せず受診しましょう。

尿の異常

正常な成人は1日1000〜1500mlの尿を排泄します。1回あたり300ml前後で、1日4〜5回、多い人で7〜8回です。正常な尿は、淡黄色か麦わら色の透明なもので、排尿の直後ではほとんど匂いません。

排尿
排尿の回数が多い

頻尿には、多尿、膀胱の容量の減少、膀胱炎での刺激、残尿、神経性のものがあり、その中でも夜間頻尿(夜間に3回以上の排尿)は前立腺肥大・腎臓尿濃縮機能の低下や糖尿病、尿崩症の可能性があります。

排尿痛

排尿痛を伴う場合では、尿の出はじめの痛みは急性前立腺炎や尿道炎、尿が尿道を通過している間の痛みは尿道炎、尿が出終わるときの痛みは急性膀胱炎や急性前立腺炎の可能性があります。

排尿困難・残尿感 乏尿(1日400ml以下)
排尿困難

感染症、前立腺肥大症、前立腺がん、尿道狭窄、脊髄の病気で膀胱がうまく収縮しない場合や膀胱結石などの可能性があります。

乏尿

ネフローゼ症候群、腎不全、急性糸球体腎炎の可能性があります。

無尿(1日100ml) 多尿(1日2L以上)
無尿

尿路の閉塞(尿閉)が疑われますが、末期腎不全、ネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎の可能性があります。

糖尿病、腎不全、腎硬化症、慢性糸球体腎炎の可能性があります。

尿の色や泡立ち
血尿 蛋白尿

正常な尿と違う色(茶色、赤茶色、赤ワイン色など)の場合は血尿が疑われます。血尿が見られると、腎臓、膀胱や尿道、前立腺などの障害の可能性があります。腎臓・膀胱などのがんや腫瘍は、早期では血尿が唯一の症状の場合も多く、1〜2回程度しか現れないこともあるため軽視されがちです。

蛋白尿

排尿後30秒以上たっても泡が消えない場合は、蛋白尿または尿糖が疑われます。通常は尿中にほとんど蛋白質は出ないため、微量でも腎臓の機能が低下している可能性があります。

濁った赤や茶色の尿(ミオグロビン尿)

赤褐色のミオグロビンは蛋白質の一種で、激しい運動の後や筋肉の組織が破壊された場合に尿中に排出されます。

このミオグロビンが強く腎臓に障害を起こす物質です。尿潜血反応(尿中の赤血球)は陽性になるため、腎臓の機能検査をする必要があります。

尿糖 膿尿

排尿後30秒以上たっても泡が消えない場合は、蛋白尿または尿糖が疑われます。尿糖がある場合は糖尿病が原因で血糖が高い可能性があります。その他、腎性糖尿で血糖が高い場合もありますが、腎性糖尿は病気ではないため、治療の必要はありません。

膿尿

白く濁った尿は膿尿が疑われます。尿に白血球が混ざるためです。膀胱結石、腎尿路結石、膀胱結石の可能性があります。

その他のこんな症状も

発熱 背中・腰・おなかの痛み
発熱

腎盂腎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、腎膿瘍の可能性があります。

尿路結石、腎盂腎炎の可能性があります。吐き気や嘔吐、腹部の膨満感、悪寒、発熱、血尿などの症状も起こります。

息苦しさ 貧血
息苦しさ

肺水腫、心不全の可能性があります。体液量の多すぎ・少なすぎや、高血圧、貧血などにより息苦しくなります。

腎臓の機能が低下している可能性があります。腎臓からのエリスロポエチンというホルモンの分泌が減り、赤血球の生成能力が下がり貧血となります。

むくみ 吐き気・嘔吐

ネフローゼ症候群、肺不全、心不全の可能性があります。腎臓からの余分な水分や塩分の排泄が悪くなりむくみが起こります。ただし、最も多い腎臓病である慢性糸球体腎炎では一般的にむくみは見られません。

吐き気

尿毒症の可能性があります。腎臓の機能の低下により体内の電解質のバランスが崩れ酸性に傾くため吐き気・嘔吐が起こります。

高血圧

腎臓の機能が低下している可能性があります。腎臓からの余分な水分や塩分の排泄が悪くなり、血液量が増加し血圧が上がります。血圧が上がれば腎臓への負担も増えるという悪循環となります。

参考

  • 社団法人 日本腎臓学会『CKD診療ガイド2012』
  • 高久史麿(総合監修)、猿田享男(総合監修)、北村惣一郎(総合監修)、福井次矢(総合監修)(2010)『六訂版 家庭医学大全科』
  • 川村 哲也(監修)(2012)『図解でわかる腎臓病』主婦の友社
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