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基礎知識

腎臓のはたらき

2013.4.1

文:じんラボスタッフ

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腎臓ってどんな臓器?

腎臓は老廃物や水分などを排泄し、尿をつくるための臓器であることはよく知られています。
そして、これ以外にも生命と健康を維持するために、とても重要な働きをしています。

腎臓は左右に2つ、背骨の一番下から腰骨の上部にある、ソラマメのような形をした臓器で、尿を作り出し老廃物を体の外に排出する作用をしています。
大きさは直径10センチ、幅5センチ、厚さ3センチほどで大人の握りこぶしくらいの大きさです。1個の重さは120g〜150gほどです。
腹部大動脈から左右に腎動脈が分かれ、それぞれの腎臓に血液が流れ、その量は1分間に約1リットルとされています。心臓が全身に送り出す血液量は1分間に4〜5リットルですので、その20%から25%が腎臓に流れ込んでいることになります。(図1)
腎臓を真ん中で縦に切ってみると、外側全体を覆うように「皮質」があり、その内側に「髄質(腎錐体)」、中心には「腎盂」があります。(図2)

腰のあたりに左右に2つある腎臓 図1:腰のあたりに左右に2つある腎臓
腎臓の構造 図2:腎臓の構造

尿をつくっているのは皮質にある「糸球体」、そして皮質と髄質にまたがっている「尿細管」です。 糸球体は「ボーマン嚢(のう)」という袋でおおわれており、このユニットを「腎小体」といいます。さらに腎小体と尿細管からなるユニットを「ネフロン」といいます。(図3)

ネフロンの働き

図3:ネフロンの働き

尿ができるまで

尿とは、代謝の際に作られた不要な成分つまり老廃物の排泄と、体液のバランスを維持するために、腎臓から排出される液体です。
糸球体で不要な成分の溜まった血液を濾過して作られた原尿(尿の元)が、ボーマン嚢(のう)へ押し出され、尿細管を通り、腎盂に集まります。このとき、体内の水分や電解質のバランスの状態に応じて必要な成分だけが再吸収されて最終的に尿となります。
その後尿管から膀胱に溜まり、尿道を通って排出されます。

尿ができるまで


腎臓の主な機能

老廃物の排出

老廃物の排出

人間が活動するのに必要なエネルギーの元となる栄養素の一つに蛋白質があります。蛋白質には窒素が含まれており、窒素が代謝された後にはいろいろな有害物質が残ります。有害物質の代表的なものはアンモニアで、これらがすべて腎臓に運ばれて分解され、尿となって体の外に出されます。つまり腎臓は蛋白質が元となる老廃物の処理に不可欠な臓器です。

体内の塩分量(電解質)の調節

体内の塩分量(電解質)の調節

塩分を多く摂取すると、尿の中に排出される塩分の量が増えて、余分な塩分が体内に溜まらないように調節されます。塩分が体内に多く残ると、血圧の上昇、むくみ、お腹、胸に水が溜まるといった体の異常が起こります。汗や便からも塩分の排出は行われますが、尿からの排出量からすれば微量です。腎臓は、尿とともに排出する塩分(電解質)の量を調整し、体に必要な分は残し、不必要な分は排出したりしてバランスを取る働きをしています。

水分の調節

水分の調節

体の中に水が溜まってくると、血液が薄くなって意識がなくなるなどの体の異常が生じます。そこで体の中で水が溜まってくると尿量を減らすホルモンが減少し、腎臓はこれを感じて尿量を増やして余分な水分を排出します。逆に、体内に水が足りないときは、腎臓はなるべく体内の水分を減らさないよう尿量を減らします。腎臓は体液量を適切に保つ働きをしています。

血中の酸・アルカリの調整

血中の酸・アルカリの調整

健康な人の血液は常に一定のpH(7.4±0.05)になるように保たれています。食べ物を代謝する過程では酸性の物質ができますが、血中の酸を尿に排出する尿細管の働きにより、血液のpHのバランスは保たれてます。

ホルモンの生成

ホルモンの生成

血液を増やすホルモン、エリスロポエチン(EPO)は腎臓で作られます。貧血になると腎臓はそれを感知してEPOを生成し、骨髄に作用して血液を増産して貧血を改善します。 また、腎臓はビタミンDを活性型ビタミンDというホルモンに変え、適正量に調節します。活性型ビタミンDは食べ物からのカルシウムの吸収や骨を作る働きを促進します。

参考

  • 飯野靖彦(2010)『世界で一番やさしい腎臓病』エクスナレッジ
  • 秋澤忠男(2008)『腎臓病と最新透析療法—より快適な透析ライフを送るために』ゆまに書房
  • 川村 哲也(監修)(2012)『図解でわかる腎臓病』主婦の友社
  • 『腎臓病を進めないために』中外製薬
  • 『CKDいきいき健康手帳』協和発酵キリン株式会社

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