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基礎知識

透析患者さんが他科を受診する場合

2013.4.1

文:所長

監修:菅沼信也 院長 腎内科クリニック世田谷

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透析患者さんが他科を受診する場合には、 一般の患者さんと同じ量や種類の薬が処方されると体調を崩す場合があり、また、透析施設によって日常から連携をとれている他科医療施設もありますので、必ず主治医に前もってご相談し、紹介状を持って受診するようにしましょう。

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所長の体験

数年前のことになりますが、透析日当日、お尻のほっぺたにあった体の「できもの」が悪化し、発熱もあったので、当時通院をしていたクリニックに連絡して指示を仰いだところ、「近所の皮膚科にかかってください。」と言われ、インターネットで探しました。

まず電話で、症状と透析をしている旨を伝え、その皮膚科へ向かいました。

そして、「ようやく何とかなるかなぁ」、と期待して診察室に入ると、その先生は「透析をしている。」と言うことを聞いただけで、顔色が変わり、
「普通だったら、膿出して抗生物質を出しておしまいなんだけど、透析患者には簡単には出せない。」
「早く治療しないと敗血症で命が危ない。」
「まず大学病院に行きなさい。」

と言い、患部も診てくれない始末…。
私はすっかり驚いてしまいました。

それで、結局は透析の病院の紹介で近くの中堅総合病院に行き、処置をしていただきました。

そんなことがあり、
ちょっと「どうしたら良かったのか。」考えてみました。

これは、後日透析室の看護師さんも言っていたことですが、
まず、小さな診療所(歯医者も含めて)にとって透析の患者はある意味「怖い存在」であるということを認識しなければいけないな、と。

どういうことかと言うと、

  • 「透析」に対しての知識が浅い。
  • 何か薬を処方、また治療をすることで容態を悪化させてしまうことへの高いリスク、不安感がある。

そんなことが挙げられるからです。

そして今回学んだこととして、他科にかかる際には、まずは透析している病院に症状を伝え、連携している病院を紹介してもらうこと(ない場合もありますが…)。

歯科等、科によって透析病院から紹介が受けられない場合には、自身で探した医療施設に連絡し、「透析をしているが、治療は可能か?」ということをきちんと伝えてから診てもらうこと、これらが大切だと思います。

この皮膚科へは一応、「透析をしている」旨を受診前に伝えていたのですが…。

患者が「医療決断」を行う場面においての、患者自身が身体の状態等を医療提供者にしっかり伝えることの重要性、というものを身をもって改めて学び直した出来事でした。


監修の先生に聞いてみました

菅沼信也 院長 腎内科クリニック世田谷

透析担当医にとって、担当する透析患者さんが他科を受診する際に診療情報提供書(紹介状)を書く事は、日常の仕事の中で大きなウエイトを占めています。

紹介状を書くと、通常は診療情報提供書(返信)を頂けて、その患者さんの合併症などの情報を知ることができ、その後の治療へのメリットは大きいと考えられます。

また、透析患者さんにとって投薬を避ける事が望ましいお薬や、腎臓から排泄されるために減量すべきお薬もあるため、他科からの処方内容を確認する必要があります。

例えば眼科受診においては、眼における出血(眼底出血や硝子体出血)の有無や程度により、透析時の抗凝固薬は通常のヘパリンが使用継続可能か(あるいは低分子ヘパリンなどの出血を助長しにくい抗凝固薬を使用する必要があるのか)を確認する良い機会となります。

所長の経験における抗生物質の場合は、肝臓から代謝される透析患者さんでも常用量使用可能なものもあり、そうでない抗生物質でも3〜4日以内の短期の内服であれば常用量でも通常問題ありません。注射薬については、一日目は通常量、二日目から減量(投与量を減量する、又は投与間隔を通常より長くします)して投薬する事もあります。
インフルエンザウイルス感染症に対するタミフルは通常1カプセルのみの服用で済む等、抗ウイルス薬の場合は大幅な減量を要するものが多く、特に注意が必要ですので、透析担当医に必ず処方(投薬)内容の報告や確認をされる事をお勧め致します。

所長の経験にあったように、透析患者さんに対する診療について、経験が少なく消極的な先生と、経験が十分にある積極的な先生が施設の規模に関係なくいらっしゃいます。受診してみないと分からないことも多いですが、透析担当医がご紹介できる場合もあるので、受診先に迷ったら、ご相談されることをお勧めします。

緊急で他科受診が必要な際は、紹介状が手元にない場合があると思います。その場合は、最近の採血検査結果、薬局から頂ける現在の定期薬処方内容などがわかるものを持って受診する事が望まれます。緊急時に備えてそれらを日頃から手元にあるようにしておいた方が良いでしょう。ご連絡頂ければ、紹介状を準備し受診医療機関へ透析施設よりFAXすることが可能な場合もあります。他院での入院透析が必要となった際は、透析条件(透析時間、血流量、使用ダイアライザ、等)も必要になりますので、その場合もご連絡頂き、透析記録などと共にFAXさせて頂く事になります。

また、「元気で長生き」を目指した「しっかり食べて動いてしっかり透析」の実践により通常(全国平均)よりも良好な生命予後(より長生き)が期待出来ますので、あきらめたり、あまり先延ばしをされる事なく、他科受診の必要な合併症の診断や治療も積極的にお受けになる事をお勧めします!

※個別の返信は行っておりません。

腎内科クリニック世田谷

腎内科クリニック世田谷

腎内科クリニック世田谷では食事療法、薬物療法を中心にあらゆる治療を実施し腎機能低下(透析)防止を第一の目的として全力を尽くします。 はからずも透析が必要となった方も腹膜透析、血液透析、併用療法よりご選択頂き、できるだけ元気で長生きして頂くよう無酢酸透析(AFD)、前希釈大量液置換オンラインHDF、間歇補充型HDF(I-HDF)、在宅血液透析(HHD)等の質の高い安全で快適な透析療法を透析専門医診療のもとで御提供致します。

所長

所長
株式会社ペイシェントフッド代表。社会福祉士。透析歴29年。 14年間勤めたソニー(株)を退職後、福祉職を経て、同社を設立。 長い年月にわたり「治療を受ける」という「受け身の立場」で医療と関わってきましたが、腎臓病を経て、透析を受ける当事者として、その経験・想いを「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」役立てられないかと一念発起し、起業しました。 「じんラボ」はみなさんと一緒につくりあげていくコミュニティです。どうぞよろしくお願いします!

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